夏のオフィスカジュアル お悩み解決ポイント

夏のオフィスカジュアル お悩み解決ポイント

オフィスカジュアルを導入する企業が続々と増えているこの頃。
清和ビジネスも2022年にオフィスカジュアルを取り入れています。

清和ビジネスのスタッフからは「リラックスして仕事ができるようになった」という声が聞こえる一方、「何を着ていいのか自信を持てない…薄着の季節は特に悩む…」という声も耳にするようになりました。

そこで「ビジネスファッションのプロに相談しよう!」と思い立ったhataraku編集室は、
のべ5,000人を超えるビジネスファッションの相談に乗ってきた、株式会社エレカジ代表取締役の森井良行氏にご協力いただき解決方法をインタビューしました!

株式会社エレカジ代表取締役 森井良行氏

「服はビジネスコミュニケーションの一部に含まれる」と考える森井氏は、個人の買い物に同行するトータルコーディネート業のみならず、法人のオフィスカジュアル研修講師としても大活躍。

今回は、夏オフィスカジュアルのお悩み解決ポイントを特集します。ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!

「どんなアイテムを選ぶか」よりも
「どういう視点でアイテムを選ぶか」が重要

―― 夏のオフィスカジュアルは、どこまで崩して良いものでしょうか?
森井:
夏のオフィスカジュアルといえば、ポロシャツを連想される方も多いはずですが「TシャツOK」という会社があるように、業種や職種によってオフィスカジュアルの許容範囲も変わります。

そういう意味では「社内の服装規定による」ことになりますが、実際のところは「ポロシャツだから身だしなみOK」という簡単なものでもありません。というのも色のみならず、生地感やフォルム次第で印象が変わってしまうため、「ポロシャツ姿がだらしない」という方を見かけるからです。

―― 「このアイテムだったらどんな生地感やフォルムでもOK!」ということではないんですね。
森井:

そうなんです。まとめると「襟があるポロシャツはOK、襟がないTシャツ姿はNG」というようなルールは、オフィスカジュアルのガイドラインとして運用しづらく、大事なポイントは「どんなアイテムを選ぶか」よりも、「どういう視点で、アイテムを選ぶか」という着眼点になります。

―― 具体的にはどのような選び方でしょうか?
森井:
夏のオフィスカジュアルに合わせるシャツを想像してみてください。
クールビズならば白やパステルカラーの「ワイシャツ」というイメージですが、オフィスカジュアルの場合、裾をタックインしない「カジュアルシャツ」も選択肢になりますよね。

さまざまなシャツ

また、色合いについても、ワイシャツにはないダークカラーも引き締まった印象です。

ダークカラーシャツ

とはいえ、見慣れない方にとっては「シャツのダークカラーは、オフィスに似つかわしくないのでは?」と考える方もいらっしゃると思います。
実は、ダークカラーのカジュアルシャツも、組み合わせ次第でオフィスに合ったコーディネートになるんです。

例えば「ホワイトのスラックス」を合わせるだけで、ダークカラーシャツが締め色となり、いっきに爽やかな印象を持たせることができます。

ダークカラーシャツ×ホワイトのスラックス

―― すごい!いっきに爽やかになりました!
森井:
これはあくまで一例ですが、アイテム選びの着眼点を言語化することで、オフィスカジュアルのレパートリーは簡単に増やせます

そして、オフィスカジュアルを言語化するには、前提となる問題意識を掘り下げる必要があったのです。

クールビズとオフィスカジュアルの違いとは?

―― ちなみに「クールビズ」と「オフィスカジュアル」の違いについて教えてください!

森井:

どちらも「スーツ以外」の簡略化したビジネスファッションという共通項はありますが、実は別物なんです。

クールビズは「過度に冷房を頼らず、夏のビジネスシーンを快適に過ごすための工夫」を前提とした、環境省が提唱したエコを重視した施策
そのため「真夏にスーツにネクタイという不条理な慣習を止める」ことに重点を置いたものでした。

オフィスカジュアルは、クールビズ以上にオフィスという場面に合ったカジュアルな着こなしと言えます。
そして「オフィスカジュアルがワンパターンになりがち」という方は、両者の定義を混同している可能性もあるのです。
もともと日本では「カジュアルフライデーから始まった」と言われていますが、「社内のコミュニケーション活性化」「会社の雰囲気をよくする」という意図ではじまった施策であることは間違いありません。

実際のところ、オフィスカジュアルとクールビズでは、ワイシャツをタックインする着こなしにおいても、違いがあるもの。

たとえば、クールビズ開始当初に見かけた「ジャケットを脱いだだけのスラックス姿」は、印象的に難しい理由をご存じでしょうか。
意外に知られていませんが、スーツパンツは「組下(くみした)」と呼ばれていて、ジャケットを羽織る前提とした型紙のものなんです。

一方、オフィスカジュアルで活躍する単品スラックスは、ノージャケットの着こなしでも美しく見えることを想定しています。
どちらもスラックスという意味では同じですが、そもそもの前提となる設計が違うのです。まさに「相手にどう見られるか」という目線の違いに通じますよね。

スーツパンツ(左)とスラックス(右)

このようにアイテム選びの着眼点を言語化していくことで、オフィスカジュアルの捉え方も変わっていくはずです。

3種類のサマーアウターから考える!夏のオフィスカジュアル

―― 「ジャケットが暑い、クーラーで冷える、つい白Tシャツに頼りがち」なのですが、どう工夫すれば良いものでしょうか?
森井:
屋外とオフィスで温度差がある夏のオフィスカジュアルでは、どちらにも対応可能な「サマーアウターを羽織る」コーディネートが主流です。
サマージャケットに限らず、サマーシャツやカーディガンといった極薄アウターも活躍します。なかでも「バッグに畳んで持ち運べる」サマーカーディガンは、手軽さも相まって人気です。

―― サマーアウターの種類で、どのように印象が変わるのでしょうか。
森井:

まず、カッチリした印象のあるサマージャケット
シャツやTシャツは合わせやすく、ポロシャツ合わせは難易度が上がってしまいます。というのも、ゴルフっぽい印象になりがちだからです。
一方、ここ数年定番化したフォルムのオーバーサイズシャツは、トレンドに敏感な印象に仕上がります。

サマージャケット

ちなみに、各アイテムの着眼点も大切ですが、意外に見落とししてしまうポイントとして「合わせるインナー問題」をお忘れなく。
特に「サマーアウターを脱いだ状態」という想定が抜けている方も多いようです。

サマーアウターで最適解も変わる!インナーTシャツの工夫

―― インナー選びも大事ということですが、どのような基準で選べば良いでしょうか?
森井:
サマーアウターの種類によって、合わせるインナーTシャツの最適解は変わります。
たとえば、サマージャケットの場合「ニットTシャツ」と呼ばれるジャケットインナーがおすすめ
サマージャケットは性質上、合わせるTシャツのフォルムもジャストシルエットになるもの。これではジャケットを脱いだとき、白T姿が下着っぽく見えるリスクもあります。
そのため「厚みのある生地感」を選ばれる方も多いのですが、それでも年齢や骨格によっては、だらしなく見える可能性も否めません。

そこで、コットンで編んだサマーセーター生地のニットTシャツは、セーターといっても、快適さはTシャツと変わりません。しかも、その質感から一枚であっても大人っぽい印象になりますし、ジャケット姿を格上げしてくれるのです。

ニットTシャツ×サマージャケット
ジャケットを脱いでも大人っぽい印象に

一方、トレンドでもあるオーバーサイズのサマーシャツやカーディガンに合わせる場合は、オーバーサイズのTシャツがおすすめ
このケースでは、生地感の「張り」と「丈感」で差がつきます。Tシャツ一枚の状態を、だらしなく見せない工夫として張り感のある生地を選ばれる方は多いですが、丈感については見落としがちなのではないでしょうか?

オーバーTシャツ×サマージャケット
ジャケットを脱いでも爽やかな印象に

―― Tシャツのベストな丈感がわからないんですよね…
森井:

実は、Tシャツの丈感は、サマーアウター着用の有無で変わります。
サマーアウター着用のときは違和感がなかったTシャツ丈が、「一枚コーデでは長すぎる」という傾向もあるのです。
そこで、Tシャツ単体の着こなしを想定し、「パンツのポケットが完全に隠れない程度の丈感」を目安に試着してみてください。

「どういう視点でアイテムを選ぶか」を自ら考えて選択していくことが重要

ここまで森井さんにクールビズ・オフィスカジュアルについて、インタビューした内容をご紹介いたしました。

2004年のクールビズ開始以降、ビジネスファッションの在り方は変化を遂げています。なかでも「国によるクールビズ期間を、あえて設けない」と発表された2020年ころから、オフィスカジュアルの浸透がさらに加速したようにも感じられます。

今まさにビジネスファッションについても、自ら考えて選択することが求められる時代と言えるのではないでしょうか?
「どういう視点で、アイテムを選ぶのか」という着眼点を持ちながら、ぜひコーディネートを組んでみてください。


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