オフィス移転時には、新しいオフィスをオフィスとして使えるように内装・設備工事を行う必要があります。一口に内装工事と言ってもその内訳はさまざまで、コンセプトやイメージによってどのような工事を行うかが変わってきます。
本記事では、オフィス移転時の内装工事の内容や考え方、工事を行う手順や業者選びのポイント、内装工事の費用の抑え方などをご紹介します。
オフィス移転時の内装・設備工事の内容
まず、オフィス移転を考えたときに、どのような内装工事が必要になるのかについてご紹介します。主な内装工事として、以下の6種類が挙げられます。
建築工事
建築工事では、オフィス移転の内装にかかわる基本的な工事を行います。骨組みづくりや壁、天井などの内装から、間仕切り工事、工事に使用する足場や養生といった仮設工事まで含まれます。また、造作家具(完全オーダー家具)を依頼する場合には、家具工事や大工工事といった工事を行い、自社のレイアウトに適した家具を製作します。
電気工事
電気工事では、照明やコンセントの配置や配線、スイッチ工事、漏電・分電盤などの電気にかかわる工事を行います。ITツールの使用が増えた昨今において、特にコンセントの配置は、従業員の業務効率にかかわる重要な要素といえるため、慎重に検討することが大切です。
空調・衛生工事
空調・衛生工事では、エアコンや配管・ダクトなどの空調設備や、給湯や給排水などの衛生設備にかかわる工事を行います。どちらも、従業員が快適に業務に従事するためには欠かせない工事です。
防災工事
防災工事では、消防法によって設置が義務付けられている煙感知器や熱感知器といった防災機器の工事を行います。機器によって設置基準が異なるため、事前に工事業者や消防署などへ確認することがおすすめです。
防犯工事
防犯工事では、監視カメラや入退室管理システム、セキュリティゲートなどの導入工事を行います。従業員や自社で保持している情報資産を守るために重要な工事です。
回線工事
回線工事では、電話やインターネットを開通するための回線などの工事を行います。事前に、どのような通信機器を使用するのかについて確認しておきましょう。
オフィス移転時の内装工事の考え方
オフィス移転における内装工事を計画する際には、理想のオフィスイメージを固めることが重要です。以下を参考に、オフィスに求める要素と必要な設備について検討してみてください。
生産性アップ
生産性アップのためには、従業員がパフォーマンスを発揮できるように、以下のような設備が必要です。業務をスムーズに進められるようなスペースを設けましょう。
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集中ブース
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パーテーションなどの区切り
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リフレッシュスペース
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ABW(Activity Based Working:社員が働く場所や時間を自由に選択できる働き方)導入
コミュニケーション活性化
コミュニケーション活性化のためには、インフォーマルな接触機会を増やし、従業員同士の対話ができるように、以下のような設備が必要です。
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ミーティングスペース
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マグネットスペース
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フリーアドレス
オフィスの動線を改善
オフィスの動線を改善するためには、以下のようなポイントについて検討することが必要です。必要な資料がすぐに手に入れられるといった整理整頓された空間を意識するだけでなく、働き方と合わせてどのような導線が求められているについて見極めましょう。
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フリーアドレス制を設ける
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共有スペースを設置する
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机のレイアウトを見直す
おしゃれにしたい
おしゃれなオフィスにするためには、以下のようなポイントを意識してデザインを詰めることが重要です。自社の表現したいイメージを整理しておきましょう。
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床、壁、照明などをコンセプトに合わせる
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リフレッシュスペースの照明やインテリア、家具を工夫する
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インテリアやオフィス家具にこだわる
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アートの導入
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自社のブランドイメージとの統一感
従業員のWell-being(ウェルビーイング)
Well-being(ウェルビーイング)とは、心身だけでなく社会的にも健康で、良好な状態にあることです。昨今、注目されているWell-beingを高め、従業員のモチベーション向上につなげるには、以下のようなポイントがあります。
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バイオフィリックデザイン(オフィスの緑化等)
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スタンディングデスクの導入
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フリーアドレス、ABWの導入
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年齢、性別を超えたコミュニケーションの活性化
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オフィスでの休憩スペースの導入
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従業員の健康への意識を高める(運動、食事)
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プライバシーや十分な休息をサポートする環境づくり
Well-beingについてはこちらで詳しく説明しています。あわせてご覧ください。
WELL認証とは?(前編)WELL認証ゴールドを取得する清和ビジネスが解説
オフィス移転の内装・設備工事を行う手順
理想のオフィスイメージが固まったら、内装・設備工事を実施するまでの手順を確認しておきましょう。ここでは、内装工事を行う6つの手順について解説します。
手順1. 目的の明確化や工事可能範囲の確認
まず、内装・設備工事をどのように行うのかを決めるために、現状のオフィスの問題点や課題を洗い出すとともに、工事を行う目的をはっきりさせましょう。
また、ビルによって工事可能な範囲が異なるため、ビルの管理会社に確認してください。
手順2. 業者を選ぶ
内装・設備工事は、デザイン設計と施工の2つに分けられます。そのため、業者を選ぶ際に、2つの業務・工事を別々の業者に依頼する方法と、一つの業者にまとめて依頼する方法から選択します。
別々の業者に依頼すると、それぞれの工事において強みをもった業者に依頼できる可能性がありますが、一方で、プロジェクトマネジメント費が別にかかるため、コストが増大するおそれがあります。
そのため、一つの業者にまとめて依頼した方が、よりスピーディに計画を進められるだけでなく、費用をまとめられることでコストダウンにつながるため、おすすめといえるでしょう。
手順3. デザイン設計を行う
選定した業者にコンセプトや希望を伝え、内装イメージやデザイン、レイアウトなどを図面化してもらいます。業者からの提案を確認し、設計者と相談しながら設計図を完成させましょう。
手順4. 見積依頼と工事契約
レイアウトや設計図の完成後、見積り依頼を行います。アフターフォローの有無を確認し、予算内で理想的な内装工事が可能かどうか、費用対効果が適切かチェックしてください。
問題がなければ工事契約を行いましょう。自社の希望や条件と合致しない場合は、業者を選び直す必要があります。
手順5. スケジュールを立てる
業者と打ち合わせしながら、施工スケジュールを立てていきます。それに伴って社内告知とともに社外告知を実施しましょう。施工が遅れると通常業務に影響がでるため、ある程度余裕のあるスケジュールの確保がおすすめです。
清和ビジネスでは、オフィス移転プロジェクトの基本的な流れや予算などの検討事項を、チェックリストにしてまとめています。また、オフィスデザインの事例集も無料ダウンロード可能ですので、オフィス移転・リニューアルの検討にご活用ください。
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手順6.竣工・引き渡し
内装工事の完了後には、竣工検査があります。
「竣工検査」は、レイアウトや設計図通りの工事が行われているか、実際に目で見て確認することです。検査結果に問題がないようであれば、サインして引き渡しを行いましょう。
オフィス移転時の内装工事を依頼する業者選びのポイント
ここでは、オフィス移転を成功させる重要なポイントとなる、内装工事を依頼する業者選びのポイントをご紹介します。
実績が多いかどうか
実績が多い業者は、これまでさまざまなリクエストにこたえてきているため、技術やノウハウがあり、おすすめです。ホームページなどで事例を掲載している場合が多いため、イメージに近いオフィスに似ている施工事例があるか事前に確認しましょう。
清和オフィスでは、以下のような事例があります。業者選びの参考にしてください。
事例①
株式会社門倉組
門倉組は、1913年(大正2年)に鳶職から始まった歴史ある企業です。「歴史を伝える和モダン」をコンセプトに、企業の歴史を伝えるとともに、新しいデザイン空間で働くことができるオフィスを目指しました。さらに、WELL認証取得を目指したオフィスでもあり、清和ビジネスでは計画から申請、取得までの全面サポートを実施しました。
照明を抑え、イメージを半被と提灯でフォーカスしたことで、より印象的なエントランスに仕上がりました。落ち着いた印象のエントランスから、ドアを開けば一転して、明るい木目とグリーン満載の光あふれる執務空間が一気に広がるようにデザインしています。
また、オフィス内には上下昇降デスク・緑視率・バイオフィリアなどを積極的に計画し、窓の外には富士山を眺めながら仕事ができる、非常に健康的なオフィスへと仕上がりました。
この事例の詳細は、下記よりご覧ください。
門倉組の新オフィス【前編】目指すはWell-being(ウェルビーイング)なオフィス環境
門倉組の新オフィス【後編】フリーアドレス導入の成功とDXの加速
事例②
株式会社昭文社クリエイティブ
株式会社昭文社クリエイティブは、地図データやガイドデータに関するさまざまなジャンルの情報収集業務や専門性の高いデジタルデータ編集業務、各種コンテンツ制作を行う会社です。移転前のオフィスがリモートワークの導入によって閑散としていたため、移転を機に、働く環境や雰囲気にも改善されたいとのご希望があり、「社員が遊びに来たくなるオフィス」をコンセプトにデザインしました。
リビングにいるような雰囲気作りを心がけて、ソファエリアやウッド調の家具をベースにセレクト。また、集中して作業ができるようなブースエリアを設けてオフィスでも仕事がしやすい環境を提案し、採用されました。
法令に精通しているか
必須事項といえますが、消防法、建築基準法、物件の貸主との契約関連など、さまざまな法律に精通している業者を選びましょう。
アフターサービスがしっかりしているか
相談への対応や、定期的なメンテナンスなどのアフターサービスが充実している業者を選びましょう。オフィス運用後、問題が起こったときに対応してもらえるかどうかで、スムーズな運営が可能になります。
オフィス移転時の内装工事費を抑えるには?
それでは、最後にオフィス移転時の内装工事費を抑える方法をご紹介します。
内装材を予算に合わせる
内装材にはグレードがあり、グレードごとにかかる費用が異なってきます。そのため、内装材を予算に合わせて選ぶようにしましょう。
具体的には、従業員だけが使用する給湯室や倉庫といったエリアではグレードを抑え、商談スペースなどの来客があるエリアにおいては、予算をかけるようにすると、予算の低減につながります。
デザインやレイアウトを見直す
予算と見積もりの間にあまりにも乖離がある場合は、そもそものデザインやレイアウトを見直すことが重要です。内装工事を行う目的を明確にし、重要度の高い要素とそうでない要素を洗い出し、調整してください。その際、業者にもどういった点が重要なのかについて相談すると良いでしょう。
複数の業者から見積をとる
複数の工事業者に見積をとり、費用を比較してあまりにも安いところ、あまりにも高いところは避けるようにしましょう。
内装・設備工事には人件費や資材費など、ある程度コストがかかるものです。そのため、安すぎるところは、必要な工事がオプションになっていて、かえって高くつくことが考えられます。また、金額が高すぎる場合は、必要以上のオプションが上乗せされている可能性があるでしょう。
複数の見積をとったら、その内訳に含まれているサービスが業者ごとに異なることがないよう、金額の内訳をよくチェックするようにしてください。
まとめ
オフィス移転の内装・設備工事は、建築工事や電気工事、防犯工事、配線工事などさまざまな工事があります。オフィスの内装工事を考えるためには、まずイメージやコンセプトを固め、ポイントを押さえながらデザインやレイアウトを作っていきましょう。そのためにも、オフィス移転時の業者選びには実績が重要です。
清和ビジネスでは、これまでの豊富な実績をもとに、さまざまなオフィスイメージに合うデザインやレイアウトの提案が可能です。本文中でも事例をご紹介しましたが、以下でもさまざまな事例をご紹介しています。ぜひご覧いただき、オフィスイメージを固めるのにお役立てください。