社員同士のコミュニケーション活性化、ブランディング、テレワーク導入による働き方の変化など、オフィスを移転しようと思う理由やタイミングはさまざまです。
しかし、いざオフィスを移転しようと思っても、やることが多すぎてどう計画したらいいか、何から手をつければよいかわからない人も少なくないのではないでしょうか。
そこで、本記事ではオフィス移転の流れを時系列でご紹介します。費用感や業者選びのポイントも解説しますので、ぜひあわせてご一読ください。
オフィス移転の流れ
まずは、オフィス移転の流れを見ていきましょう。
目的を決める
まず、オフィス移転の目的を明確にしましょう。近年、オフィスは単なる働く場所から社員のコミュニケーションの場、ブランディングやエンゲージメント向上、企業文化構築の場としての役割を担うようになりました。
他にも、総務的な視点で生産性の向上、家賃のコストダウンやテレワーク導入による出社社員の数の変化などが挙げられます。
現状のオフィスの課題点を洗い出すとともに、テレワークの割合や会議室の利用頻度など、オフィスの利用状況を整理し、移転に向けて実現すべきことをまとめましょう。
オフィス移転の目的について詳しくはこちらで解説していますので、あわせてご覧ください。
物件を探す
オフィス移転の目的が決まったら、新オフィスの物件を探します。具体的には、以下のポイントを比較しながら選ぶと良いでしょう。
最寄駅からの所要時間
社員の通勤時間や交通費、主要な取引先へのアクセス
周辺環境
賃料、共益費などのコスト
入居可能時期
空調やトイレなどの設備
駐車場の有無、ビルの使用可能時間
セキュリティ
バリアフリーへの対応
耐震性、非常用電源
また、SDGsの観点から、ビルのエネルギー源などが環境へ対応しているかどうかなどをチェックするのもおすすめです。
内装、デザイン会社の選定、打ち合わせ
物件が決まったら、内装を決めます。
そのためには、オフィス移転のパートナーやデザイン会社などを選定し、移転スケジュールを決めたり、移転予算をシミュレーションしたり、デザインコンセプトを設定したりします。このとき、初めに決めたオフィス移転の目的とブレないように注意しましょう。
レイアウト全体のコンセプトを決める(コミュニケーション活性化、個人の業務に集中など)
フリーアドレス、ABWの導入
オフィス利用率に応じたワークスペース
会議室、オンライン会議を行うスペース
集中スペース、コミュニケーションスペース
部署やチームごとのスペース
エントランスなどの共有スペース
休憩スペース、カフェスペース
動線を考えたレイアウト
ビジネスフォン、LANの配線
例えば、テレワークなどで出社する日数が減った、日によって出社する従業員が異なるという場合は、一人一人に決まったデスクを与えるよりもフリーアドレス制、ABWなどを導入する方がスペースの点でも、生産性の面でも効率的でしょう。
他にも、社員のコミュニケーション活性化のためには専用のスペースを設けたり、逆に個々の業務に集中するためのブースを設けたりするのも効果的です。
新オフィスで使う家具を選定、発注する
レイアウトが決まったら、新オフィスで使う家具の選定と発注を行います。
何を持って行き、何を処分するのか決めましょう。ここでは、以下のポイントが重要です。
転用可能な家具の選定
新規で購入する家具やOA機器、リースするものの洗い出し
同時に廃棄する家具を洗い出す
家具の見積もり依頼を行う
引越し業者の選定、打ち合わせ
引越し業者を選定し、打ち合わせを行います。
どこまで任せられるのか作業内容を確認するほか、廃棄物の引き取りが可能かどうかもチェックしましょう。
社内への説明、役割分担
移転することを社内へ告知し、引越し準備の役割分担を行います。
あわせて取引先へ移転案内を発送したり、封筒や名刺など印刷物の発注をしたりします。このとき、移転物品や残留物品、廃棄物のリストも同時に作成しましょう。
引越し準備〜当日の作業
引越し準備から当日までに行うべき作業は、以下の通りです。
荷物の梱包作業(現オフィスで使わないものから少しずつ)
データのバックアップ
当日の作業分担の確認
旧オフィスの積み残し確認、移転先の荷物搬入時のトラブルがないかの確認
各種届出
最後に、移転前後に各種届出を行います。
法務局
移転した日から2週間以内に本店移転登記申請書(支店の場合、3週間以内に支店移転登記申請書)を提出する。
税務署
移転後速やかに異動届出書を、移転から1ヶ月以内に給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出を提出する。
都道府県税事務所
移転後速やかに、事業開始等申告書を提出する。
社会保険事務所
移転後5日以内に、適用事業所所在地・名称変更(訂正)届を提出する。
労働基準監督署
移転をした日の翌日から10日以内に、労働保険名称、所在地等変更届を提出する。
公共職業安定所
移転をした日の翌日から10日以内に、雇用保険事業主事業所各種変更届を提出する。
郵便局
移転先や移転日が決定し次第、転居届を提出する。
届出に関しては下記で詳しく解説しています。
オフィス移転のスケジュール
オフィス移転のスケジュールは、移転先の規模に応じて大きく変わりますので、オフィス移転のパートナー、業者と確認のうえ、スケジュールを組みましょう。
以下のダウンロード資料を活用してチェックリストし、漏れがないように進めると安心です。
オフィス移転の費用感
オフィス移転にはどのような費用がかかるのか、種類やそれぞれの目安について見ていきましょう。
オフィス移転にかかる費用の種類
オフィス移転にかかる費用は、大きく分けて以下の4つです。
新オフィスの構築にかかる費用
新規什器や内装、設備の工事費用など
現オフィスの退去にかかる費用
原状回復工事費用など
引越しそのものにかかる費用
運搬費、不用品廃棄費用など
その他諸費用
役所への提出書類や、名刺などの作成にかかる費用
オフィス移転にかかる費用の目安
上記4つの費用について、それぞれ大まかな目安をご紹介します。
新オフィスの構築にかかる費用
借りるための費用
敷金、礼金、仲介手数料、火災保険料、前家賃、保証委託金など。
内装工事や設備工事
それぞれ1坪あたり5〜20万円、20〜35万円程度
什器などの購入費用
5〜30万円程度
OA機器の移設・設置費用
1坪5〜15万円程度
ただし、実現したいオフィスの目的に応じて金額は大きく前後します。
あくまでも上記金額は一例であり、オフィス移転のパートナー、業者と相談しながら進めましょう。
現オフィスの退去にかかる費用
原状回復費用は1坪6〜8万程度、大型ビルでは1坪10〜12万程度とされています。
ただし、こちらも現オフィスの規模に応じて金額が変わってきますので、あくまでも一例と考えてください
引越しそのものにかかる費用
引越しや運搬費用は階段や通路の幅、エレベーターの有無、クレーン作業の要不要、不用品廃棄の有無、時期などによって大きく変動するため、見積もりをとるようにしましょう。
一例としては、従業員1人あたり2〜5万円程度とされています。
こちらも現オフィスと新オフィスの状況などによって大きく金額が変わるため、あくまで一例となります。
その他諸費用
その他にかかる諸費用として、以下のものがあります。
名刺やパンフレット、会社案内などの印刷物、社員証の作り直しなど
従業員1人あたり1〜2万円程度
役所への届け
司法書士に手続きを依頼すると、10〜20万円程度
オフィス移転時の業者選びのポイント
最後に、オフィス移転時の業者選びのポイントをご紹介します。
オフィス要件を整理してから選ぶ
オフィス移転業者の対応範囲はさまざまです。
移転の目的や依頼範囲、環境面への希望などを事前に整理しておきましょう。
また、オフィス移転は一般家庭の引越しとは全く異なります。
オフィス移転業を専門としているかどうか、実績も確認しましょう。
計画立案に問題はないか
オフィス移転では運ぶ荷物が多いため、何をどのように搬出するかの計画立案が欠かせません。
また、移転先のオフィスでどのように家具を配置するのか、レイアウトプランを立てられるスキルもなくてはならないでしょう。
オフィス完成後の対応
オフィス移転が完了した後も、オフィス運用の工夫や空間の改善などにサポート対応をしてもらえるかどうかは重要なポイントです。アフターフォローがあるか事前に確認するようにしましょう。
まとめ
オフィスの移転にはまとまった時間がかかり、その間に行なうことは非常に多いです。そのため、今回ご紹介したような流れを大まかに理解するとともに、チェックリストを活用して漏れなく進めていくのが良いでしょう。
また、オフィス移転業者と一口に言っても対応できる範囲はさまざまです。
移転の目的や依頼する範囲などをしっかり決めてから選ぶのがおすすめです。
清和ビジネスでは、内装・設備工事やIT・インフラ工事から家具の発注や既存什器とのコーディネートまで、それぞれのオフィスに最適な環境の構築が可能です。
また、その際にはオフィス移転を重要なプロジェクトと捉え、プロジェクトマネジメントサービスも提供しています。
オフィス移転をお考えの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
今の課題をなんでもご相談ください!