デスクワークのお悩み別筋トレ術【ゴールドジム監修】

コロナ禍でテレワークが定着したことで、意識的に身体を動かす必要性が増しています。健康であることは、個人にとってももちろんですが、企業にとっても重要な指標です。経営者や人事・労務の方々は特に従業員の健康を気にされているのではないでしょうか。

テレワークのデメリットは「運動不足になる」と「コミュニケーションの減少」が上位
引用: 株式会社スタッフサービス・ホールディングス テレワーク導入後の働き方に関する意識調査

たかが運動不足とあなどってはいけません。適度な運動は健康と密接に関わっており、また70歳までの定年延長が努力義務化された今、従業員が健康であり続けることは重要な経営課題です。
当然、より高いパフォーマンスを発揮するためには心身の健康は必至条件であり、近年では社員の健康に配慮したオフィス環境を整備する企業も多く登場しています。オフィス内に運動するスペースやトレーニング機器を設置するほか、オフィス内でも「歩く」ことを意識させたレイアウト設計をするなど、オフィスの役割も変化してきました。

そこでデスクワークの合間にできる、運動不足の解消法をご紹介いたします。今回はトレーニングの専門家、ゴールドジムの佐藤貴規さんに監修いただきました!

「オフィスのような限られたスペースでもトレーニングはできます」

こう話すのは、ゴールドジムの佐藤貴規さん。トップボディビルダー「ジャガー佐藤」の愛称で親しまれ、2017年日本選手権5位に輝いた経験のほかに、トレーナーとしても活躍していました。現在はそれらの経験を生かしてプロテインなどの商品開発に携わっています。

「デスクワークあるあるな悩み」を4つピックアップ!

hataraku編集部では、運動不足の解消だけでなく、これらのお悩みも解決する一石二鳥なトレーニングはないか佐藤さんに聞いてみたところ、すべてトレーニングで解決できますとの自信満々なお答えです!

そして、各お悩みについて2つずつ計8メニューをご紹介いただきましたので、ぜひ自分に合うものからはじめてみてください。

【お悩み】長時間のデスクワークで腰が痛い

デスクワークの大敵といえば腰痛ですが、実は、腰のマッサージをしても根本的な解決になっていない場合もあります。姿勢に関わる筋肉を鍛えて、腰痛に負けない身体を手に入れましょう!

おすすめ筋トレメニュー① ニーレイズ

腸腰筋(ちょうようきん/股関節をまたぐ筋肉)を鍛える筋トレ。腸腰筋は腰から太ももをつなぐ筋肉ですが、デスクワークが続くと、この筋肉が縮んだ状態で固まってしまう危険があります。こうなると正しい姿勢になるときに、腰の筋肉を使って縮んだ腸腰筋を無理に伸ばさないといけなくなり、腰の負担が増してしまいます。

やりかた

  1. 立った状態で机に両手をついて前傾姿勢になる

  2. 足を交互に上げる

  3. 体力に合わせて10〜20回行う

ポイント

  • 太ももが床と並行になるくらいまでしっかりと脚を上げる

  • 前傾姿勢になるほど負荷が上がるので、自分の体力に合わせて調整する

おすすめ筋トレメニュー② ニーリフト

お尻の筋肉(大殿筋/だいでんきん)を鍛える筋トレ。お尻を鍛えることで、骨盤が安定し、ニュートラルな姿勢につながります。ニーレイズと合わせて行うと、腰の前と後ろの両方を鍛えることになり、より効果アップが見込めます!

やりかた

  1. 立った状態で机に両手をついて前傾姿勢になる

  2. 背中側に向けて、足を交互に伸ばす

  3. 体力に合わせて10〜20回行う

ポイント

  • ヒザは曲がっていても大丈夫

  • 股関節から伸ばすイメージで行う

【お悩み】PC作業で肩がバキバキ

ずっとパソコンに向かっていると、いつの間にか肩がこってしまう……。肩だけでなく、首や背中の筋肉も鍛えて、肩こりを解消しましょう。特にヒールを履く方は、重心が前のめりになることで猫背になりがちです。猫背は肩こりの大きな原因になりますので要注意!

おすすめ筋トレメニュー③ ベントロー

肩や背中の筋肉を広範囲に鍛えられる筋トレ。肩こりは肩だけでなく、首や背中の筋肉とも関係があるので、全体をまんべんなく鍛えられるベントローがおすすめです。

やりかた

  1. イスに座った状態で前傾姿勢になる

  2. 両ヒジを背中側に引き寄せる

  3. 体力に合わせて10〜20回行う

ポイント

  • 前傾姿勢になることで負荷が高まる

  • 両ヒジをくっつけるイメージで行う

おすすめ筋トレメニュー④ シュラッグ

僧帽筋(そうぼうきん)という首から肩、背中にある筋肉を鍛える筋トレ。僧帽筋は肩を動かす筋肉の中で最も大きい筋肉です。僧帽筋を鍛えることで、固まった肩を効率的に動かしましょう!

やりかた

  1. イスに座った状態で、両手でイスの縁を掴む

  2. 両手はイスを掴んだまま、思いっきり両腕を上げる

  3. 体力に合わせて10〜20回行う

ポイント

  • ただ肩を上げるだけでは負荷がたりないので、イスを掴んで行う

  • イスを掴むかわりに、水の入ったペットボトルなどを持って行ってもOK

【お悩み】ランチの後は睡魔との闘い&夕方は集中できない

精神的な問題かと思われがちな集中力ですが、実は身体面も影響します。猫背や肩こりで丸まった身体では、肺に入れられる空気の量も少なくなり、軽い酸欠のような状態になってしまう危険性があるのです。丸まった身体を筋トレで伸ばしましょう!

おすすめ筋トレメニュー⑤ プルオーバー

肋骨の間にある肋間筋(ろっかんきん)を鍛える筋トレ。この筋肉が縮んだ状態では、息を吸っても肺が大きく膨らまないことがありえます。普段意識することのない筋肉だからこそ、意識的に筋トレすることが大切です。

やりかた

  1. 立った状態で机に両手をついて前傾姿勢になる

  2. 息を吸いながら背中を沈め、吐きながら身体を起こす

  3. 体力に合わせて10〜20回行う

ポイント

  • 胸を突き出して背中を反らせる

  • 脇を絞めながら重心を前に移動させるイメージで行う

おすすめ筋トレメニュー⑥ 机プランク

床で行うイメージのあるプランクですが、机に手をついて行うこともできます。胸郭(きょうかく)とお腹を伸ばして、丸まった身体を解放しましょう。

やりかた

  1. 立った状態で机に両ヒジをついて前傾姿勢になる

  2. 背中を丸めるイメージで身体を持ち上げ、戻すときに背中を反らせる

  3. 体力に合わせて10〜20回行う

ポイント

  • 背中を丸めるときはかかとが上がるイメージで行う

  • 背中を反らせるときは骨盤から動かすイメージで行う

【お悩み】冬はブランケット必須、夏は空調で……(冷え性)

ずっと室内でエアコンの下にいると、知らず知らずのうちに身体が冷えて慢性的な冷え性になる可能性があります。大きな筋肉を鍛えることで基礎代謝や筋肉量をアップさせて、身体をあたためましょう!

おすすめ筋トレメニュー⑦ ハーフスクワット

太ももの大きな筋肉を鍛えることで、身体があたたまる筋トレです。デスクワークで座りっぱなしだと足の筋肉が衰えやすいので、ぜひこまめに行ってください!

やりかた

  1. 足を肩幅に開いて立つ(両手は胸の前で組む)

  2. 中腰くらいまでゆっくりと身体を落とし、戻る

  3. 体力に合わせて10〜20回行う

ポイント

  • つま先と膝の向きはそろえる

  • 背中が曲がらないように注意して行う

おすすめ筋トレメニュー⑧ ランジ

ハーフスクワットと同じく足の大きな筋肉を鍛えられる筋トレ。腰痛のトレーニングで紹介した腸腰筋にも効くので、一石二鳥が狙えます。スクワットと一緒に行いましょう!

やりかた

  1. 立った状態で片方の足を後ろに下げる

  2. 後ろ足のヒザが地面につくスレスレまで身体を落とし、戻る

  3. 体力に合わせて10〜20回行う

ポイント

  • 身体を真下に落とすイメージで行う

  • 背中が曲がらないように注意して行う

佐藤さんからのアドバイス

プロテインに含まれるタンパク質は筋肉だけでなく、爪や髪など身体を作る重要な成分です。よくある粉タイプのもの以外にも、ドリンクやバーなど様々な種類があるので、家では粉末、オフィスではバーをおやつ代わりに食べてもいいかもしれませんね。

佐藤さんからのアドバイスとしては、ぜひ筋トレのあとにはプロテインを摂取して欲しいそうです。プロテインと言えば激しいトレーニングのあとに飲むイメージかもしれませんが、実は「いつもより多く運動したな〜」くらいの感覚でもプロテインの効果は充分にあるとのことでした。

もっと本格的に筋トレしたくなった場合、ぜひ初心者こそトレーニングジムに来てほしい。正しいフォームを早い段階で身につけることが、ケガの予防や筋トレの効率アップにつながります、と佐藤さんは話しました。

加齢と共に筋肉は衰えていくものです。そして筋力の衰えは体力や健康と密接に関わっています。特にテレワークの影響で運動不足が問題視されるようになった今、筋トレなどの運動習慣をもつことは健康のために重要な要素なのかもしれません。hatarakuでは、オフィスや家でできる運動を紹介することで、読者の皆様が健康的に働けることを引き続きサポートしていきます。ぜひ運動習慣の一歩目として活用してください。

取材協力・監修/株式会社THINKフィットネス(ゴールドジム)

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