ファッション、カルチャーなどの最新トレンドを発信する、南青山から世界に向けて、次世代の医療テクノロジーや最先端の再生医療を発信し続ける、SENSHIN CLINIC様。
「次世代テクノロジーで最新の体験を提供する、先駆的総合医療センター」として2022年10月に開設されました。
「老化」は人類最大の健康問題であるが、「老化は治療できる病」の時代と語る。最先端の再生医療とは?また、世界でも類を見ない医療施設とは、どのようなものなのか。
今回、清和ビジネスが設計・内装施工で携わらせていただいたSENSHIN CLINIC東京未来医療センター総院長のリチャード・ヒデキ・カシンスキー医師と、医療法人社団宗仁会理事長かつSENSHIN CLINIC東京未来医療センター院長の桜宗佐氏にインタビューをさせていただきました。
目次
- 老化は、治療できる病最先端の再生医療で健康寿命を延ばし、一人ひとりの健康で『幸せ』な人生をサポートする
- Well-beingの3本柱は健康でイキイキと働くためのその人にとっての重要なプラットフォーム
- 「禅を感じ、ARTを楽しむ」をコンセプトにした、最先端の医療テクノロジーと癒し・寛ぎを融合した特別な世界観
- 禅とARTによる癒しと寛ぎの世界観を清和ビジネスと互いに協力し合い、短期間で作り上げる
- 様々な最新トレンドが発信される南青山から、SENSHIN CLINICが先端医療テクノロジーや再生医療の世界的な発信拠点となっていく
老化は、治療できる病
最先端の再生医療で健康寿命を延ばし、一人ひとりの健康で『幸せ』な人生をサポートする
―― リチャード医師は、SENSHIN CLINICの総院長であり、医師・先端医療最高顧問として国際舞台で活躍されていらっしゃいますが、どのような背景でSENSHIN CLINICが開院されたのか教えていただけますでしょうか。
リチャード医師:日本は世界で一番高齢化が進んでおり、65歳以上の高齢者人口は3600万人を超え、総人口の約3割にも及びます。100歳を超える方も9万5000人余りで過去最多となり、今後さらにかつて経験したことのないような超高齢化社会を迎えようとしています。
人生100年時代とも言われていますが、ただ長生きすることが幸福に繋がるのでしょうか?
例えば、健康を害してふだんの暮らしに障害が生じたり、病気で寝たきりの生活となってしまうことなどは、ご本人やご家族にとっても必ずしも「長生き=幸せ」と言えることではないでしょう。
これからは、「ただ長寿を目指すのではなく、『健康長寿』を目指さなければならない」と考え、最先端のエビデンスに基づいた再生医療をご提供することで、健康寿命を伸ばしていくことをミッションとして、2022年10月にSENSHIN CLINICを開院しました。
リチャード医師:「予防は治療に勝る」。これは、15世紀にオランダの司祭デジデリウス・エラスムスが残された、予防医学の重要性を説く格言です。日本をはじめとする先進国においても、病気や怪我が起きてから治療するという考え方が未だに主流となっています。
私自身も様々な医療現場で多くの経験を積んできましたが、心筋梗塞や脳卒中などを発症された患者様が病院に搬送されると、もう少し前に予防的介入が自治源出来ていれば、このような事態にはならなかったのではないか…といつも心の底で思いながら日々医療現場で責務に従事しています。
最先端の再生医療で健康寿命を伸ばし、一人ひとりの健康で『幸せ』な人生をサポート
リチャード医師:皆さんは、先進国において28歳を超えてから病気や死亡のリスクの一番の要因は、何だと思われますか?
食事や喫煙、飲酒、運動不足などの生活習慣が深く関与する糖尿病 · 肥満 · 高血圧症 · 心筋梗塞などの生活習慣病を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、『米国科学アカデミー紀要』(米国科学アカデミー協会、英語:Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、略称:PNASに報告された調査結果によると、実は、先進国における死亡や病気の一番のリスク要因は「老化」なのです。
まだ世界でも多くの人は、老いには逆らえないと考えているかと思いますが、「老化は治療できる病」の時代であり、現代の科学を駆使することにより健康寿命を延ばす科学的メカニズムが解明されつつあります。この「老化」へのソリューションとして、近年再生医療に対する注目や期待が高まっており、再生医療の大きな魅力のひとつは、従来の治療法では治癒が望めなかった患者様に新たな希望を与えられる可能性があるところです。
SENSHIN CLINICでは、最先端の科学的知見を注いでまとめ上げたプログラムをベースに、日常生活が制限されることなく過ごせる健康寿命を延伸するための再生医療をご提供することを目指しています。これは、患者様一人ひとりの生活の質を改善させ、これからの社会全体を活性化させることにもつながると考えられます。
患者様との対話による信頼関係の構築が何よりも最適な治療につながる
――再生医療の先駆者として、SENSHIN CLINICでの患者様への対応や治療には、どのような特徴があるのでしょうか。
リチャード医師:SENSHIN CLINICが他の再生医療機関と異なるポイントは、とにかく患者様とのコミュニケーションや信頼関係を大事にしている点です。この四半世紀、科学の進歩は目覚ましく、それに伴って医療技術も飛躍的に進化していますが、医師との対話時間が不足していると感じている患者様も少なくありません。患者様との信頼関係を構築するには対話が必要不可欠なのです。
「近代医学の父」と謳われるウィリアム・オスラー医師が“Listen to the patient. He/she is telling you the diagnosis”という名言を残しています。これは『患者様の言葉に真摯に耳を傾ければ、おのずと診断に辿りつく』という意味で、医師と患者様のコミュニケーションがいかに重要かを説いた言葉です。
SENSHIN CLINICでは、患者様お一人おひとりの様々な健康状態に合わせて、個人の体質や環境・病態などを調べて、それらに合った検査・治療など、患者様一人ひとりに最適な先端医療を提供する「個別化(テイラーメイド)医療モデル」を追求しています。
例えば、当クリニックで幹細胞治療を求める患者様がいらっしゃった場合、元々抱えている疾病や治療状況・課題・悩み・ご要望などは何なのかを細部にわたって聞かせていただきます。それらを精査した上で、患者様に最適な治療や検査方法を考え、現在受けられている標準治療を見直した上で、必要であれば再生医療に関するカウンセリングや再生医療の本質的な考え方のご説明を行います。このようにして患者様の理解を深めるとともに、患者様が安心してご納得していただいた上で、最先端の医療技術をご提供しています。また、どのような段階においても、常に「受診される方の声に耳を傾ける」という基本を大切にしています。
再生医療の健全な発展のために、治療におけるリスクを正しく理解することが重要
リチャード医師:どの国で再生医療を受けるにせよ、現地の医療法規や倫理を遵守することが重要です。日本の再生医療も更なる法改正に向けた議論の余地は当然ありますが、日本は体系化された管理と実行メカニズムによって医療の安全性と患者様の基本的権利が保障されていますので、規制が存在しない国や地域に比べて安心だと考えられます。
しかし、どんな治療にも必ずリスクが伴うということを、皆様にはご注意いただきたいと思います。医療事故や訴訟なども多く発生していますので、商業主義で必要のない治療まで行なっていないか、「科学的根拠に基づく医療」が行われているか、安全性やリスクなどの説明責任がきちんと行われているか等、あくまでクリニックや医師は最後の砦になる存在ですから、ご自身の健康に関わることですので、治療を受ける前に納得いくまでご確認いただきたいと思います。
Well-beingの3本柱は健康でイキイキと働くためのその人にとっての重要なプラットフォーム
――清和ビジネスでは、早くから働く場や環境づくりにおけるWell-beingの重要性を提唱してきましたが、働く人にとってのWell-beingについてどのようにお考えでしょうか?
リチャード医師:Well-beingを医学的に言い変えれば、メンタルや身体が健康で問題がなく、長寿でQOLが高く、社会的なインタラクションやプロダクティビティーが高いということになるかと思います。これらのメンタル、身体の健康、社会との関係性といったWell-beingの3本柱は連動性が高く、ワンセットとなるものであり、いわば、その人の活動を維持するための重要なプラットフォームとも言えるものです。
例えば、身体の健康を害してしまうと、メンタル的にも活力や自信がなくなり、仕事のパフォーマンスは低下していきます。また、定年を迎え退職を余儀なくされた場合などでは、これまで仕事を通じて行われていた社会的なインタラクションが減少することにより、メンタルや身体の健康に影響を及ぼすケースも見られます。その人の持つWell-beingのプラットフォームのバランスが崩れると、負の循環につながりやすく、幸福度が低下していくということです。やはり働く人にとっても、このWell-beingの3本柱のバランスを常に良い状態に保つことで、イキイキと高いQOLが実現できると思います。
私たちは、Well-beingのすべての要素を提供することはできませんが、身体の部分については、病気をしづらい身体にしていく、そもそも病気にならない状況にしていこうというのが、当院で目指す予防医療の真髄であり、皆さの健康で“幸せ”な人生をサポートしていきたいと思っています。清和ビジネスさんとは、提供しているサービスこそ違いますが、目指していることは一緒でありたいと思います。
「禅を感じ、ARTを楽しむ」をコンセプトにした、最先端の医療テクノロジーと癒し・寛ぎを融合した特別な世界観
――SENSHIN CLINICの医療施設づくりにおけるコンセプトはどのようなものだったのでしょうか?
桜院長:私たちSENSHIN CLINICは、常に最先端のテクノロジーを用いた医療を提供する「先進」と、自身と向き合う癒しの時間を過ごして欲しいという願いを込めた「洗心」をビジョンに掲げ、今まで体感したことのない次世代のテクノロジーを導入した癒しの先駆的総合医療センターを目指して、「禅を感じ、ARTを楽しむ」をコンセプトに、2022年10月に開業いたしました。
また、老化を「予防可能な病」ととらえ、再生医療領域にも力を入れております。当院では、再生医療において中心的な役割を果たす、損傷した組織を修復して再生させる働きを持つ「幹細胞治療」、幹細胞治療における細胞増殖・活性化による機能回復力に着目し、お肌の再生に特化した「真皮線維芽細胞治療」、自分の血液中に含まれる血小板の成長因子が持つ組織修復能力を利用し、私たちに本来備わっている治癒力を高める「PRP療法」などの最先端再生医療を導入しています。
このように、これまでにない医療施設づくりを構想している時に、イメージとして出てきたのが”銀色の屏風と孟宗竹”でした。
私たちは、最先端の医療テクノロジーを提供していますが、リチャード医師の話にもあったように、心と身体の健康は繋がっており、患者様との対話も大切にしているため、安心・信頼・寄り添い・温かさ・落ち着き……そんな雰囲気に包まれた、自身と向き合う大切な癒しの時間を過ごせる空間を実現したいと考え、イメージを膨らませていきました。
当初は、著名な設計会社などにも相談させていただいたのですが、「ぜひご協力したいのですが、この空間を作るには最低でも1年はかかります」とのご返答でした。今回のプロジェクトでは、ビル側との入居条件の関係などもあり、約3ヶ月程度の短納期で仕上げないといけなかったため、納期を踏まえた上で、イメージした通りの空間を実現する、そのことが大きな課題となりました。
禅とARTによる癒しと寛ぎの世界観を
清和ビジネスと互いに協力し合い、短期間で作り上げる
――その後、清和ビジネスとのプロジェクトはどのように進められたのでしょうか。
桜院長:納期が迫る中、清和ビジネスさんをご紹介いただき、コンセプトやイメージをお伝えして設計からお願いしたい旨お話した際には、「かなりスケジュール的には厳しいですが、桜先生がイメージされている新たな医療施設を実現させるためにも、なんとか考えてみましょう」との言葉をいただき、ご協力をいただけることになりました。
また、私の知人でもあり、世界からも高い評価を得ている書画家の麗清さんに依頼して、高い審美眼と美しい精神性を秘めた禅の世界を描いていただきました。一目で心が穏やかになり、どこか別世界に来たような落ち着きをもたらす、素晴らしい書画作品を創作していただいています。
合わせて、中国から取り寄せた造作家具に、気が良くなると言われる龍をモチーフとして演出。他にも、銀色に染めた盆栽アートを創作するなど「禅とARTを楽しむ」というコンセプトに基づき、清和ビジネスからの空間設計・内装プランとの協議を何度も重ねました。目的に応じて環境アートを整え、空間全体で見た場合にもひとつのストーリーとして、患者様に新たな体験を味わっていただけるようにイメージを形にしていったのです。
空間機能的にも、清和ビジネスさんと相談しながら患者様との対話や信頼関係を大切にする当院らしさにこだわりました。VIP顧客も多いことから、プライバシーにも配慮しながらアートも楽しめる、ストレスのない動線づくりやシンプルでわかりやすい開放的なレイアウトや、患者様と落ち着いて対話ができる癒しと寛ぎの空間、自然環境を巧みに取り込んだ環境デザイン演出など、高度な先駆的総合医療センターに相応しい医療サービスを提供する場として、患者様からも大変好評をいただいております。
様々な最新トレンドが発信される南青山から、
SENSHIN CLINICが先端医療テクノロジーや再生医療の世界的な発信拠点となっていく
――今回のプロジェクトを通じた清和ビジネスへの感想や、SENSHIN CLINICの今後の展望についてお聞かせください。
桜院長:今回は当院の開設にあたり、短納期にもかかわらず、清和ビジネスさんには多大なご協力をいただきありがとうございました。当初は、短期間でイメージ通りの施設が出来上がるか、一抹の不安もありましたが、高い熱意とクリエイティビティをもって誠意ある対応をしていただけたことを心から感謝いたします。
開院から2年ほど経ちますが、再生医療に対する世界からの注目も高まり、病に苦しむ世界中の無数の人々に新たな希望をもたらすと期待もさらに大きくなっています。私たちの先端医療テクノロジーや研究成果についても、世界に次々と発信され、大きな広がりを見せています。
いくつかの例を挙げてみますと、例えば、日本初のAIによる高精度癌スクリーニング。この撮影装置は超低輻射タイプのもので、CTの放射線量を97%軽減し、さらには50を越えるAIソフトを使って様々な角度から検査を行います。これにより、検査からわずか2時間から2時間半程度で、どこよりも早くかつ正確に癌を発見することができます。
また、国立がん研究センターと臨床試験を進めていた、世界でも初めての全自動幹細胞培養ロボットセンターの設立などについても、東京大学が主催するIARO(国際抗老化再生医療推進機構)研究会を通じて世界各国の研究者に向けて発表される予定です。
そして、私やリチャード医師など東京未来医療センターの多くの医師たちが理事を務めるIAROでは、東京大学において国際学術交流会を開催し、世界各国の再生医療の専門家や研究者が一堂に会し、それぞれの研究成果や業界の最新ニュースなどが発表され、私たちの研究成果も広く世界に発信されています。
ファッションやアート、カルチャーなどの最新トレンドが発信される南青山からSENSHIN CLINICが、先駆的総合医療や再生医療における世界に向けた発信拠点として、ますます進化していきたいと思いますので、清和ビジネスには、今後も変わらぬパートナーとしてご協力いただければと思います。
SENSHIN CLINIC様の事例はこちらでもご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
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