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前編【神田外語グループ】大学生・被災地・企業の共創が起こすイノベーション/震災復興をテーマに新聞とビールを制作!

神田外語大学の大学生、地ビールメーカーの大鵬、福島県広野町振興公社のコラボレーションにより福島県の震災復興の今を伝えるユニークな「震災復興ビール」が実現しました。地域や立場を超え、震災復興というテーマを共有することで誕生したイノベーション・ストーリーをご紹介します。

目次

教育活動と地域の活性化を目指し包括連携を締結

神田外語大学(千葉・幕張)や神田外語学院(東京・神田)を展開する神田外語グループ。福島県との関係の始まりは、福島県天栄村に英国を擬似体験できる国際研修施設「ブリティッシュヒルズ」を設立した1994年7月にさかのぼります。

中世英国の村に滞在しながら英語ネイティブの教員やスタッフと交流し、英語の発話と異文化理解が体験できるブリティッシュヒルズは好評を博し、現在では東日本全域から数多くの学校が研修に訪れています。

しかし、この30年の間には、創業期の試行錯誤、東日本大震災、新型コロナウイルス感染拡大という困難がありました。危機を乗り越えられた要因は地元・福島の人々との交流や連携にありました。

震災後、ブリティッシュヒルズを震災復興学習の拠点と位置付けてきた神田外語グループは、その教育活動を強化するとともに、福島県のさらなる地域活性化や国際化推進などで貢献することを目指し、2023年9月に福島県と包括連携協定を締結しました。

震災復興発信をテーマとした教育プログラムが実現

2026年3月11日、福島県は東日本大震災および原発事故から15年という節目の年を迎えます。震災の記憶を風化させず、原発事故の風評被害を払拭したいという思いから、神田外語グループでは2025年に、グループの学生たちの活動の一環として「震災復興発信プロジェクト」を実施することを決定。現地を取材して、福島の今を「震災復興新聞」として日本語と英語で国内、そして世界に発信することが決まり、準備が始まりました。

新聞制作のプロジェクトに参加したのは、神田外語大学の柴田真一ゼミの学生たちです。担当の柴田教授は参加の意義についてこう語ります。

「私が専門とするビジネス・コミュニケーションで最も大切なのは『どうしたら相手に伝わるか』です。日本のニュース、福島のニュースが世界であまり話題にならない今、どのように発信すれば世界の人々に伝わるかを実践で学べるとても良い機会になると感じました」

柴田教授

柴田教授によれば、「この企画を話した時、ゼミの学生たちは目を輝かせていた」といいます。参加した学生たちからも「福島に関わってみたいと思ったのでワクワクした」「実践を通じてさまざまなものを吸収して成長し、福島に貢献したいと思いました」といった意見が聞かれました。

柴田ゼミの学生3人

新聞を届けるメディアとしてのクラフトビール作りが始動

一方で、プロジェクトの課題は制作した新聞をいかに多くの人々に届けるかでした。

そんな折、神田外語グループの企画チームは、震災復興に力を入れてきた城南信用金庫の橋渡しによって、株式会社大鵬(東京都大田区)と出会いました。同社は、全国の信用金庫が企画する「よい仕事おこしネットワーク」に参加し、全国各地の特産品を使ったクラフトビールを商品化してきた実績があります。

よい仕事おこしネットワークとは
”よい仕事おこしネットワーク”は、全国の信用金庫のお客様の「売りたい」「買いたい」「組みたい」「こんなことで困っている」といったご相談に対して、仲介・解決のお手伝いをする商談等取次ぎサービス。
▽詳細は下記からご覧ください
https://www.yoishigotonet.com/guide.html

福島の食材を使ってクラフトビールを製造し、ラベルにQRコードを表示すれば、多くの人々に震災復興新聞を読んでもらえる。さらに、大鵬は、羽田空港に隣接する羽田イノベーションシティでクラフトビール醸造所併設レストラン「HANEDA SKY BREWING」を経営しています。旅行者が多く利用するレストランでビールが販売できれば外国人にも知ってもらえると考え、新聞の制作と並行して、クラフトビールの企画も始動したのです。

大鵬の代表取締役、大屋幸子さんはこの企画の声がかかった時のことをこう振り返ります。

「未来を担う若者たちと一緒に仕事ができるのはとても嬉しかったです。学生たちとしても将来に役立つ学びになるし、何より学生たちはエネルギー量がすごいので、きっと私たちの考えていないようなアイデアを出してくれるはず。私たちとしてもありがたいと思って、参加することにしました。」

株式会社大鵬代表取締役 大家幸子さん

前編では、神田外語グループが復興支援を通じて生み出した教育プログラムの背景や狙い、そこに賛同した方々の想いをご紹介しました。 

後編では、実際に学生が現地で学び、地域や企業と共に生まれたイノベーションについて具体的にご紹介します。どうぞお楽しみに! 


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