
講義を聞いて学ぶだけでなく、自主的に考え創造し、発信していくことが求められている学生たち。学校現場では、それを自然と生み出す「学び場」をいかに創り上げるかが求められ続けています。
今回は、2025年9月18日に開催されたセミナー「学び場はもっと進化できる~生徒・学生に選ばれる学び場とは~」にてご登壇いただいた学校法人明治大学様の講演をもとに、目的と役割を明確にした学びの空間づくりについて、ご紹介いたします。
目次
明治大学 生田キャンパスの新たなシンボル「センターフォレスト」
“未来へつながる学びの森”をコンセプトに、明治大学生田キャンパスにオープンした「センターフォレスト」。その名の通り、キャンパスの中心部に大きく構え、学生が最初に立ち寄る学び場として誕生しました。

従来の教室棟・図書館がそれぞれ分かれた棟ではなく、一体となった「多様な学び場」として、目を引くものがあります。
ただ、見た目だけではなく、空間一つひとつを紐解くと、キャンパス全体、建物、エリアごととそれぞれ目的と役割が存在しています。
新棟に与えられた2つの目的
センターフォレスト建築計画の目的は下記の2点が挙げられていました。
・老朽化施設を更新と集約をし、多様な学び場を創出すること
・次世代にふさわしいキャンパス環境を整備すること
キャンパス内に点在していた教育施設を一つの建物に集約し、多様な学び場を創造することを目指しました。さらに、生田キャンパスには理工学部と農学部があり、各学部の大教室・中教室も同時に集約することで、学部を超えた教育空間の共存を図りました。
コンセプトに沿って考えられた建物構成
老朽化した施設の教室、各学部の大教室、そして図書館をひとつの建物に集約するという大胆な目的を反映した建物構成が以下の図に示されています。

1階から3階が図書館エリア、4階から6階が教室フロアとなっており、建物全体にラーニングコモンズが展開されています。
また、建物中央に「センターコモンズ」と呼ばれる、大きな吹き抜け空間を配置されています。学びと交流を促進する場として、学生同士や職員との自然なコミュニケーションを生み出す象徴的な空間となっています。
建物の構成を見ると、一見図書館と教室フロアが分断されているようにも見えますが、大きな吹き抜け空間の存在が、建物全体の一体感を生む大きな役割を果たしています。




未来へつながる学びの森、の実現に向けた3つの特徴
学びの拠点「キャンパス・ハブ」の実現
キャンパスの中心に位置するということを生かして、学生が最初に立ち寄る場所、日々の学びの拠点となるよう設計されています。
「どこからでもアクセスでき、どこへでもつながる」キャンパス・ハブとして機能をすることで、自然と学生や教員が集まるつながりの場としての役割を果たしています。
学びの空間をつなぐ「センターコモンズ」
先ほどご紹介したとおり、学びの空間をつなぐ「センターコモンズ」は大きな特徴の一つです。

視覚的にも建物全体の一体感を生み出していますが、センターコモンズを軸として、「INPUT → CREATE → OUTPUT」と上層階から下層階にかけて、空間ごとの目的をつなぐ役割も担っています。

センターコモンズは偶然の出会いや、学生同士の交流、自主的な学びが促される設計となっています。階段に座って話したり、すれ違う人と自然なコミュニケーションが生まれている様子が目に浮かんできます。
ヒマラヤスギの風景を未来へ継承
もともとセンターフォレストがあった場所には、かつて戦時中に植えられたヒマラヤスギの林がありました。長い年月を経て残されましたが、今回の計画に伴い伐採されることになりました。
その貴重な風景を未来へと受け継ぐために、建物の柱や壁に「杉板型枠コンクリート打放し」仕上げを採用しています。また、テーブルや椅子などにも伐採されたヒマラヤスギの木材を再利用し、ヒマラヤスギの風景を未来へ継承することを目指しています。
まとめ
センターフォレストでは「学ぶ、創造する、表現する」すべてを体現でき、学生が目的に合わせて自由に、そして主体的に学ぶことができるラーニングコモンズが実現できています。
このような多様で開かれた学び場が、生徒や教員の自然なコミュニケーションを促し、新たな発想が生まれる環境づくりにつながることが期待されます。
清和ビジネスは、ただ空間をつくるのではなく、目的をもって場づくりをすることが重要だと考えています。より「ここで学びたい」と思わせる学び場づくりのヒントになれば嬉しいです。
〈執筆協力〉
学校法人明治大学 生田キャンパス
所在地:神奈川県川崎市多摩区東三田1-1-1
公式HP:生田キャンパスセンターフォレスト | Meiji NOW
ほかにも清和ビジネスがお客様とともに作り上げた選ばれる学び場の事例はたくさんございます。ぜひ、以下のバナーよりダウンロードしてご覧ください。

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