
若手社員を中心に、食堂リニューアルプロジェクトに取り組まれた名古屋電機工業様。
前編では、食堂が抱えていた課題と、リニューアルに込められたコンセプトについてお伺いしました。
▽前編の記事はこちらからご覧いただけます
後編となる今回は、イノベーションを生むアイデアが詰まった新しい食堂の様子を詳しくご紹介するとともに、今後の展望についてもお届けします。
目次
イノベーションを生み出す食堂の特徴とは?
――新しく生まれ変わった食堂の具体的な特徴やこだわりを教えてください。
戸松:コンセプトに基づき新たな食堂をプランニングしていく中で、さまざまな機能や工夫を盛り込みましたが、清和ビジネスさんとは「一緒に作り上げた」という実感がありますね。
従業員が多様な目的で活用できるシーンを思い描きながら、利用人数や用途に応じて綿密にデザイン・レイアウト設計や家具・什器のセレクトなど、細部にわたって作り込まれています。
新しい食堂の主な特徴をご紹介します。
窓際のカウンター席
窓の外に広がる山並みの景色を活かした開放感が溢れるカウンター席は、非常に人気ですぐに埋まってしまうことも多いです。
一人で集中して仕事をするのにもぴったりですし、外の景色を眺めながら食事をして気分転換するのにも最適な場所となっています。
デスクは高めのハイチェアを置いた席と、通常の高さの席の2パターンがあり、好みや気分に合わせて自由に選ぶことができます。

健康エリア
このエリアでは、バランスボールなどをイス代わりに使用しています。ちょっとした打合せや雑談をしながら、自然と健康を意識できる空間です。
特に、PC作業が多い設計部門や管理部門のメンバーにとって、気分転換の場としても活用してもらえるように設計しました。

コミュニケーションが取りやすい家具レイアウト
カウンター席やセンターの大型テーブルは、一人でも気軽に利用できますし、複数での会話にもぴったりです。オープンな空間なので、通りがかりに声をかけやすく、自然な会話が生まれやすい設計です。
カフェのような2人席や4人席のテーブル、ファミレスブースもあり、カジュアルなチームミーティングやちょっとした相談をしたいときにも、予約なしでいつでも使える便利なスペースになっています。
また、同じ家具でも微妙にイスの生地のデザインやカラーなどに変化を持たせることにしました。これは、その日の気分によって、家具や場所も自由に選ぶことができ、「居心地の良さ」という点からも細部にまでこだわり、清和ビジネスさんと細かくセレクトを行いました。


畳スペース
靴を脱いで、ゆっくりと寛げる畳スペースも設けました。昼寝もOKです!
このスペースでは、新入社員がよく集まってランチをしていたり、管理職同士が缶コーヒーを飲みながらリラックスして会話していたりする姿をよく目にします。
心を開いて、同じ目線から本音で話ができるような空間効果があり、ここも人気の場所ですね。

戸松:プロジェクトメンバーと清和ビジネスさんが一体となって、既成概念にとらわれずさまざまなアイデアを出し合い、細部にまでしっかりとこだわりながら実現できたことがとても良かったと思います。
食堂が完成したときは、かなり従業員から驚きの声も聞こえましたが、結果的に大きな刺激とインパクトを与えることができました。自分たちの会社で「ここまで自由な発想で変えてもいいんだ」という意識が芽生え、新しいことにもっとチャレンジしようという意識変革につながっていると信じています。
大野:天井には大きなロールスクリーンも設置されていて、入社式や社内講習会、仕事でのプレゼンテーション、社内イベントなど、多用途で活用できるように工夫されています。
新しい食堂が出来上がって、採用ブランディングにおける効果も大きいですね。
これまで、食堂スペースは会社見学コースには入れていませんでしたが、現在は積極的にアピールしています。居心地の良い空間で、従業員が自由に打合せや仕事などをしている姿を見ていただくことで、来訪者にも「ここで働く自分」をイメージしてもらいやすくなったと思います。また、オープンで風通しの良い当社の社風、雰囲気なども感じ取ってもらえるのではないかと思います。
最近の新卒採用では、「採用したい人材がしっかり取れている」「いい人材が多いよね」とよく部内で話しています。女性からも好印象を持ってもらえているようです。
新卒で入社した従業員も、このスペースが好きな人が多いようで、よく集まって楽しそうに会話している姿を見ると、「このプロジェクトをやり遂げて良かったな」としみじみ感じますね。
伊東:私も窓際のカウンター席から見える景色と開放感が好きで、よく利用しています。
実は以前の食堂の時は、外の景色を見ることができる更衣室でランチを食べていた時もありました(笑)
大きく変わったこの空間を見ると、働く環境の大切さとモチベーションへの影響の大きさを改めて実感します。
今回、売店コーナーも新設したのですが、これが想像以上に効果を発揮しています。
午後のおやつタイムになると、自然と人が集まってきて、お菓子を食べながら一息入れて笑顔でコミュニケーションをとっているのです。これは、リチャージ効果にもつながっています。お菓子が一種のコミュニケーションツールとなって話が弾み、カジュアルなコミュニケーションの場となっているのです。

私自身も「この前はありがとう」といった同僚への感謝の気持ちを表す場としても使っています。会議室やオフィスで面と向かって言うのは少し照れくさいですが、カフェのようなリラックスした空間で、お菓子を通じてカジュアルにリラックスできる雰囲気があるからこそ、話が弾んで気持ちが伝わりやすくなるんですよね。最近は、1on1などもこのスペースで行っているのを見かけます。
「食堂」という枠を超えて、一人ひとりのイノベーションを誘発する基盤となるような場所へ
――今回のプロジェクトを通して、従業員の皆さんの変化や社内における影響などはどのようなものでしたか?
戸松:この食堂が出来上がってから、スペースの稼働率は格段に上がり、従業員からも大変喜んでもらっていますが、特に女性からの評判がとても良いですね!
私自身も夕方定時後に息抜きとしてこちらのスペースをよく利用しているのですが、自然と同期や同僚が集まってくる定番の場所になっています。
そこで、自然とちょっとしたおしゃべりや情報交換などができるのが、何より心地良いです。
毎年、「家族見学会」という、従業員のご家族に職場を見てもらう機会を設けているのですが、この食堂が出来上がった時には、ご家族の方からも大好評でした!
畳部屋では、多くの子どもたちが遊んでいましたが、この場を通してさまざまなシーンで交流が広がっていくのを強く感じます。
これからは、社内交流イベントなども企画してみたいですね。
この食堂ができてから、社内の人に声をかけやすくなったり、わからないことをベテラン社員に直接聞いてみたり、会話と笑顔が増えたように思います。会社の雰囲気が明るく、オープンな社風が根付くと、社員一人ひとりがチャレンジ精神に溢れ、アクティブな姿勢で創造的な仕事に取り組むようになります。
そのような働き方が広がることで、行動指針として掲げている『NEW WAY』の体現にもつながっていくと感じています!
これからも新たな企業風土づくりを目指して、この食堂をさらに良いものにしていきながら、私自身もさまざまなチャレンジをしていきたいと思います。
大野:新しくなったこの食堂での活動やコミュニケーションがきっかけとなって、具体的な業務や技術の革新などに繋がっていくようになるとうれしいですね!
若手中心のメンバーで苦労しながらやり遂げたことが、従業員の中に「自分たちでこの会社を変えていくことができる」という意識となって広がっているのを感じます。
仕事を“自分事”として捉え、自主的に課題解決に取り組む 人が増えてきました。これから採用される新たな人材も含め、名古屋電機工業に集う皆が同じ意識を共有し、従業員のエンゲージメントを高めていければ、自然と企業の成長につながっていくと思います。
また、どの部署でもそれぞれのイノベーションが促進されるよう、若手から新しいムーブメントを起こすような活動の輪も積極的に広げていきたいですね。
伊東:今、社内でもさまざまな変革の風が吹いています。
例えば、私がいま着ているポロシャツも、少し前までは作業着のような制服があり、最近オフィスカジュアルに変わりました。
社長もイノベーション気質なので、新しい時代に合わせて会社も変わろうとしています。
今回のプロジェクトでは「社長賞」をいただきましたが、若手中心でやり遂げたというのが理由のひとつでした。もしかすると、会社の雰囲気や働き方を変革するような食堂ができることを期待して、私たちに任せたのかもしれませんね。

伊東:この食堂の名称は、『AMA INNOVATION Hall.』と命名されました。
その名が示すように、食堂のリニューアルという枠を超えて、日々の交流やコミュニケーションから新しいアイデアや発想が生まれ、革新的な製品や技術の開発につながっていく。そんなイノベーションのインキュベーションとしての場へと、さらに進化させていきたいと考えています。
私はキャリア採用で当社に入社しましたが、社会や人々の生活に貢献する製品をつくるメーカーが大好きで、その企業のものづくりにおける大きな価値を代表する製品を見るたびに、とても大きな誇りを感じます。
今回のプロジェクトを通じて、若手でも常識にとらわれない自由な発想や考えで、イノベーションを起こすことができるという貴重な体験ができたことも大変誇りに思っています。
『AMA INNOVATION Hall.』も、次々とイノベーションを起こす基盤となるような場所へと進化を続けていきたいと思います!

〈インタビュー・撮影協力〉
名古屋電機工業株式会社
所在地:愛知県あま市篠田面徳29-1
公式HP :名古屋電機工業株式会社
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