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後編【日鉄エンジニアリング株式会社】フリーアドレス導入で得た成果

人員増加に伴い、「スペース効率を高めたオフィス」へのリニューアルを実施された日鉄エンジニアリング様。

前編ではレイアウト変更に至った経緯やコンセプトについてお伺いしました。 後編では、新しいオフィスの様子と、フリーアドレス導入による成果についてインタビューを交えてお届けします!

インタビューさせていたいだいた日鉄エンジニアリングの皆さん(左から総務部の大嶋さん、門田さん、取締役常務執行役員の岡田さん、プラント本部の林さん、赤井さん)

目次

フリーアドレス導入に向けて工夫した3つの施策

①ペーパーレス×効率化:余剰スペースを生産的に活用する取り組み

――フリーアドレスを導入するにあたり、特に工夫・努力された点を教えていただけますか?

大嶋:まず、不要な荷物や書類の運用の見直しと削減に取り組みました。余剰スペースを減らし、生産性の高いスペースを確保するために、ペーパーレス化は不可欠でした。
実際に、1人あたりのファイル量などを把握するために、清和ビジネスさんに実態調査をしてもらい、レイアウト変更後にファイルを置けるスペースを基に削減率を計算しました。長年の仕事で古いプロジェクトの資料は紙ベースのものが多かったのですが、「そのまま捨てて良いもの」「スキャン後に捨てても良いもの」などを分類し、各自の紙の資料を40%削減するよう工夫しました。

林:弊社は官公庁の仕事が多く、実行中に作成した紙ベースの資料をファイリングしておき、プロジェクトの最後に提出する必要があるためにどうしても紙ベースの資料を保管する必要があります。しかし、プロジェクト資料以外で同じ参考書的な資料を複数持つことが多かったため、それらは一つに絞り、共通のキャビネットに収納しました。
結果として、個人キャビネットを廃止した後でも、全員が個人ロッカーに収まる程度まで紙資料を減らすことができました。
現在、ワークプレイス変革とワークスタイル変革を同時に進めています。スキャンした資料はPCではなくクラウドに保管するようにして、BOXの名称、日付のつけ方、部署の略称なども会社全体でルールを決めて運用しています。クラウド上に書類があれば、組織改編があってもスムーズに対応でき、在宅勤務時にも資料が足りないという問題も解消されました。今では効率的に仕事が進んでいます。
資料類の検索性の向上とアクセス権限に関するセキュリティについては、まだしっかりとしたルールが定まっていないため検討中です。

②フリーアドレスの見える化:QRコード活用で働く場所をスマートに管理

――フリーアドレスを導入すると「誰がどこで仕事をしているのか分からない」という声も聞かれますが、問題はありませんでしたか?

門田:フリーアドレスの机にQRコードを貼っており、社員はそのQRコードをスマホで読み込むかパソコンにQRコードに紐づけされた番号を入力すると自動的に座席表に名前が反映されるようにしています。

門田:また、各人のOutlookの予定表を見れば、どこに座っているかも分かるようにしています。このシステムは、北九州技術センターにいるメンバーだけでなく、他拠点の社員が北九州に出張で来た際にも反映されるようになっています。
実は、東京本社ではQRコードを読み込むと専用のページに飛ぶだけの仕様でしたが、こちらでは座席ごとに固有の番号を振り、QRコードを読み込むと座席番号まで登録された状態でページに飛ぶようになっています。この仕様は本社のメンバーにも好評で、北九州の方法が本社にも導入されることになり、逆輸入される形になったことを嬉しく思っています。

③会議室不足を解消する改革:小会議室とフォーンブースの増設

――会議室のあり方も見直されたとお聞きしましたが、具体的に何をされたのですか?

門田:はい。使い方に応じた会議室の大きさや数についてもいろいろと見直しました。

例えば、1人でオンライン会議をするために大きな会議室を使う人がいるため、複数人数の会議室予約が取れないことがよくありました。そこで各会議室の利用内容を分析したところ、14人部屋などの会議室は中途半端で需要がなく、6名以下や20名以上の会議室の需要が多いことがわかりました。
今回の変革では中途半端な大きさの会議室をなくし、小会議室を増設、さらにフォーンブースを増設し各部門に配置することで、需要にマッチした会議室体系を作ることができました。現在では会議室が足りないという声は聞こえなくなり、予約もスムーズにとれるようになっています。

フリーアドレス導入で実現!働き方の柔軟性とコラボレーション活性化

――フリーアドレスを導入されたことで特に良かった点はありますか?

林:良かった点としては、フリーアドレスにすることで部門間・スタッフ間のコミュニケーションが増えていることです。
以前は交流の少なかった部門同士も、フリーアドレスで横に座ることで、自然にコミュニケーションが生まれるようになりました。
当初は知らない部門の人に話しかけるのは少し怖いという感覚もあったようですが、実際に話をしてみると「この部門の方はこんな仕事をしているんだ」といった興味が湧き、質問やアイディア交換が活発に行われているシーンを毎日見られているので、嬉しい限りです。
また、これまでは部門ごとに保有していた複合機や文房具などもフリーアドレスになれば複数必要ないことわかるなど、コストダウンとスペース効率化にもつながっています。

――なるほど。フリーアドレスによって、かなり良い効果が得られたようですね。ワークプレイス・ワークスタイル変革に関する社員の皆さまの反応についても教えていただけますか?

赤井:机の上がすっきりしたということに、みんなが喜んでいますね。今では誰一人机上に書類を積んでいる人はいません。
また、この日はこういう働き方をしたい、というフレキシブルな働き方ができるようになったのが嬉しいという声もあります。
例えば、「今日はこのプロジェクトのメンバーと頻繁に相談をしたいからその人の近くに座ろう」や、「今日は集中して資料を多く作らなければいけないから集中ブースにこもろう」など、仕事内容に合わせて柔軟な働き方ができるようになりました。これまでは固定席だったので多少周りの目を気にしながら動かなければなりませんでしたが、フリーアドレスになったことで、自分の裁量で働く場所を決めるようになったのは非常に好評です。

林:ちなみに「3人島」と呼ばれているフリースペースや「スタンディングワーク」といって立ったまま仕事や打ち合わせができる昇降デスクが置いてあるスペースは仕事がしやすいようです。ここで仕事をしたい人は、少し早めに出社して席を確保したりしています(笑)
これらは今回の移転にあたり清和ビジネスさんからご提案をいただいた中でも、社員のモチベーションと健康促進に非常に効果的なので、感謝しています。

門田:また、このインタビューを行っているコラボスペースも好評です。レイアウト変更当初は「自分の席が狭くなって仕事がしづらいのでは?」と不安を感じていた社員から、こういった開放的な空間で仕事ができたらいいねという声も出てきているようです。飲食も可能なため、1人でお茶を飲みながらリラックスして仕事をしたり、上司と部下の1on1を行ったりしている部門もあります。

――このコラボスペースならちょっとした打合せや相談も気軽にできそうですね!

門田:コラボスペースの設置や運用は私たちにとっても初めてのため、いざ運用を始めてみるとモニターや電源の数が少ないということがわかりました。また、先ほどお伝えしたQRコードをコラボスペースにもつけておかないと、社員のいる場所が把握できないということも判明しました。このあたりは改めて清和ビジネスさんに相談してしっかりと改善したいと考えています。

フリーアドレス導入後の課題と解決策

――実際にレイアウト変更を行った結果、計画段階では想定していなかったことなどはありますか?

赤井:レイアウト変更前にオフィスの使い方のルールなどに関する全体説明は行っていましたが、「フリーアドレスで実際に仕事をする際にどういう問題が起こり得るのか」という想定は少し足りていなかったかもしれません。
例えば「個人宛てに届いた郵便物はどう処理するのか」「大事な決裁書類はどこに置くのか」など、身近なところに課題が多数出てきました。これらの課題は、現在でも最適解を模索しながらルール作りをしています。

大嶋:また、業務上どうしても高性能のモニターやPCを使わなければならない社員のために、モニター専用のデスクを用意するなどの対応をしました。ただ、レイアウト変更完了後のアンケートの結果、「モニターの性能が低い」「座る席によってばらつきがあるので統一してほしい」などの意見も出てきています。これらは来年度以降に予算をとって対応していく予定です。

門田:そして、フリーアドレスにしたことでリアルに迷ったのが消防訓練についてです。
フリーアドレス化に際して、部署によっては現在の在籍人数以上の席数を確保しているところもあります。固定席の時はヘルメットや非常食を各自の席に置いていましたが、席数を在籍人数以上に増やした部署は、非常食やヘルメットが全席分揃っていないことなどが分かり、急いで追加発注をしました。今までの運用を前提とした活動ができなかった例ですが、これらもしっかりと予算を確保して来年度以降に拡充していく予定です。

各席には防災用品が備わっている

――お話を聞いているとかなり大規模なリニューアルだなと感じていますが、やはりご予算の確保は大変でしたか?

門田:はい。当初想定していた予算よりも費用が大幅に増えてしまったため、予算確保は非常に大変でした。社長や本社役員になぜこれだけの費用がかかるのかについて説明をする必要がありました。清和ビジネスさんに相談しながらコストダウンも平行して検討し、お金がかかる理由などを書類にまとめて何度も本社に説明しに行き、予算承認をしてもらいました。
これだけお金をかけるのに「本当にワークプレイス変革になっているのか?」という問いを本社から突き付けられた際には少しドキッとしましたが、逆にその時をきっかけに運営メンバー、タスクフォースメンバー一同のやる気に火がついて、ワンチームとして結束が強くなった気がします。

ワークプレイス変革を加速させ、成長するオフィスを目指す

――最後に、社員の皆さまへメッセージをお願いします

岡田:今後はもっと部門を横断して社員同士が積極的にコミュニケーションを取れる環境づくりをしていきたいと考えており、プロジェクトメンバーとしてもそれを促進していくつもりです。

コラボスペースは、先日行われた社内の懇親会の際には満杯となり非常に良い雰囲気でした。徐々に1on1ミーティングやリクルート面接でも利用してもらえるようになっていますが、昼間にさらに活用してもらえるように、人気のファミレス席を社員にアピールしたり、先ほど触れた電源やモニターの数を増やしたりすることなどで、使い勝手を改善し、社員のコミュニケーション活性化を促進していきます。

ワークプレイス変革は学生さんのインターンシップにおいても好評で、レピュテーション向上に寄与できているのではないかと思います。「こんなステキなオフィスで働いてみたい!」と優秀な学生さんが北九州に集まってきてくれたら良いですね。

今回ワークプレイス変革を行いましたが、まだ社員が効果を実感しきれていない、あるいは実感してもらうために事務局ができることが残っているはずなので、改善をし続けたいと思います。社員の皆さんからも、ここは改善してほしいなどの要望を積極的にフィードバックしてもらえたら助かります!

編集後記

社員一人ひとりの意見を吸い上げて理想のオフィスを作るために、まさに「ワンチーム」でワークプレイス・ワークスタイル変革に取り組まれていることを実感しました。日鉄エンジニアリング様のオフィスリニューアルは、「一度変化したから満足して終わり」ではなく”進化し続けるオフィスとなっているのではないかと思います。それは今回インタビューをさせていただいた日鉄エンジニアリングの5名の皆さんをはじめとして、社員の皆さんが本気で取り組まれているからなのだと感じました。

清和ビジネスでは、お客様の理想のオフィスやアイデアを形にする数多くの事例がございます。ぜひ、お気軽にご相談ください!

日鉄エンジニアリング様のワークプレイス・ワークスタイル変革についてはこちらも併せてご覧ください。


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