1974年に日本製鉄グループにおいて、製鉄プラントや環境・エネルギー、都市インフラなどの総合エンジニアリング事業をスタートした日鉄エンジニアリング様。
この度、さらなる事業成長を視野に「スペース効率を高めたオフィス」へのリニューアルをされた日鉄エンジニアリング様にインタビューをしてきました!前半では、リニューアルにおけるこだわりや狙いについて、後半では、リニューアル後のオフィスの様子と今後の展望についてお話を伺っています。
目次
- 人員増加で見えてきた「オフィス環境」の課題
- はじめに「オフィス環境のコンセプト」を決定
- オフィス改革を支えた28名のチーム:事務局と現場が一体となったプロジェクト推進
- プロジェクト推進の苦悩:あきらめずに「どうやったら社員の意見を実現できるのか」を考えた
- 後編につづく 日鉄エンジニアリングの新しいオフィス
人員増加で見えてきた「オフィス環境」の課題
――今回のオフィスレイアウト変更は、どのような経緯で始められたのですか?
岡田:日鉄エンジニアリングには、東京の大崎にある本社をはじめとして、中部・大阪・九州に支社、北海道と東北に支店があります。
全社を挙げてワークプレイス変革を行っていますが、まずは先陣を切って大崎の本社がレイアウト変更などを行いました。実施中・実施後に何度もアンケートを実施し、段階的に進めていきました。そのアンケートで出てきた皆の意見と反省を踏まえて、各支社・支店が続いていった流れです。
北九州技術センターは、他の拠点での成果や改善点を反映させた上で、ワークプレイス変革の集大成とも言える取り組みとなりました。これまでの各拠点での成功事例や課題を元に、コンセプトとプランを固めていきました。
私たち北九州技術センターでは年々人が増えて続けており、増員に合わせて増席することが限界となっていました。さらに各部門から3年後までの増員見込み計画が提出され、ワークプレイスについて抜本的な考え方の見直しが必要という課題に直面していました。
そのため、各部門から3年後までの増員見込み計画が提出されている中「負のスパイラルになる前に、抜本的な考え方の見直しの時期が到来していた」というのが現実的なところです。
はじめに「オフィス環境のコンセプト」を決定
――今回はかなり大規模なレイアウト変更でしたが、どのように進められたのでしょうか?
門田:まずは「ワンチームの実現」「オフィス効率化」「働き方の変化への対応」と大きく3つのコンセプトを決めました。
そして「生産性を高め、業務連携、部門連携を意識したゾーニングにシフトし、ワンチームとして仕事がしやすい環境を整える」「各自のその日の業務内容に合わせたワークスペース・什器・場所を選択できる働き方(ABW)の考え方を取り入れる」という基本方針を定めました。
3つのコンセプトを決めた理由や背景としては、次のようなものがあります。
- ワンチームの実現
日鉄エンジニアリングは、色々な事業が束ねられている会社となっている。各事業の専門性が高いこともあり、各事業組織間で多少の壁があり、横断したコミュニケーションが少なかったのが課題とされていた。その壁を取り払い、「会社全体で1つのチームとして働いていくこと」「組織間の交流が生まれること」を目指した。 - オフィス効率化
オフィスの運営方法やスペース、座席の数を効率的にしていくことをコンセプトとした。
一人ひとりがファイルキャビネットを持って毎日固定された席で仕事をするのではなく、好きな場所で仕事ができるフリースペースや、少人数用の小型会議室、オンライン会議ができるフォーンブースなどを用意することで、働き方の変化とオフィス効率化を共に実現できるように図った。 - 働き方の変化への対応
ABW(アクティビティベーストワーキング)という考えをベースに働く場所や時間を変えていくことを目指した。
在宅勤務がメインになっていたコロナ禍を経て、最近は多くのメンバーがオフィスに出社するスタイルに戻ってきているが、逆に在宅勤務時代の良さも活かしつつ、自宅、オフィス、外出先など、さまざまな場所で多様な働き方ができることを目指した。
対象人数が1,000名以上とかなり大規模なレイアウト変更だったため、事務局メンバーが毎週集まり、議論を重ねました。
オフィス改革を支えた28名のチーム:事務局と現場が一体となったプロジェクト推進
――「対象人数が1,000名以上とかなり大規模なレイアウト変更だった」とのことですが、事務局は総務部の方のみが担当されたのですか?
門田:いいえ、総務部の2名がメインでプロジェクトを進めていきましたが、今回は大規模プロジェクトであるが故に、予算もかなり大きいものであったため、本社と頻繁に連携したり相談したりする必要があることは当初から想定されていました。
そのため、取締役の岡田を事務局の統括に据え、その下に総務部2名(私と大嶋)、プラント本部から2名(林、後藤)で合計5名の事務局メンバー、さらに各部署内からそれぞれ旗振り役をしてもらうタスクフォースメンバーを1名選抜してもらい(赤井他21名)、総勢28名で推進していきました。
――28名もタスクフォースメンバーがいらっしゃったんですね!具体的にはどのように進行されたのでしょうか?
門田:4月のキックオフ後は、毎週1回、1時間限定の会議を4カ月間続けました。全体会議でチームみんなの意見を出し合い、それを部門に持ち帰り、また翌週持ち寄るということを続けていったのです。
まずは、各部門から1名ずつタスクフォースメンバーを選出してもらいました。そのメンバーが全体会議で出た内容や議題を部署に持ち帰ってもらい議論をして、その結果をまた全体会議に持ってきてもらう、ということを繰り返すことで、現場の意見や要望をしっかりと吸い上げられるように工夫をしました。
赤井は元々プロジェクト部の中で「4S委員」という会を作って執務室の環境を改善する活動をしていたリーダーだったため、「今までやろうと思っていたことをここで出してみよう」ということになりました。
清和ビジネスさんとプロジェクトマネジメント契約を結ばせてもらっていたので、現実的な課題や疑問が発生した際はすぐに相談をさせてもらえたのも大きな助けとなりました。
プロジェクト推進の苦悩:あきらめずに「どうやったら社員の意見を実現できるのか」を考えた
――プロジェクトを推進するにあたり、どのような点が大変でしたか?
門田:対象人数が約1,000名もおり、すでに座席数が足りなくなっている状況下で大規模な組織改正が行われ、待ったなしの状態からプロジェクトをスタートしました。まるでパズルをはめるような感覚で色々なことを検討したことを覚えています。
特に1000名の内、200名以上は紙の図面を使って仕事をしており、広いスペースがないと仕事がやりにくい、高性能モニターを2台以上使わなければ仕事にならないといった声もあがりました。
これまでは組織改正のたびに同様の意見が出てきていたので抜本的な改革は無理だと諦めてしまっていました。しかし、今回は待ったなしの状況のため、無理だとあきらめずに「どうやったらできるようになるのか」をさまざまな職種の社員にヒアリングをしながら推進していきました。
このヒアリングは移転後の現在も続けていて、ギャップフィードバックアンケートを基に改善できるところ、改善すべきところを日々模索しています。
――社員の皆さんには大規模レイアウト変更についてどのように説明をしたのでしょうか?
門田:社内説明会については、一気に全メンバー対象に行うのではなく、まず全体会議で各部門のタスクフォースメンバーに岡田から説明をして、その後、説明を受けたタスクフォースメンバーが各部門に横展開していく予定でした。
実際には、理想通りに考えが浸透していかなかったため、メンバーを介さずに直接説明したほうが理解を得られるだろうと判断した内容については、総務部から何度も社員向けにフォローメールを送り、少しずつ理解してもらえるように努めました。
その結果、実際にフリーアドレスの運用が始まると「フリーアドレスが始まると聞いた当初は不安だったが、説明を聞くと効率的に働くための施策と理解ができた」「実際にその日の業務内容に合わせて働く場所を選んだらメリハリがついて働きやすい」という嬉しい声もありました。もちろん、まだ改善すべき点はあるので、今後もワンチームで取り組んでいきたいと考えています。
後編につづく 日鉄エンジニアリングの新しいオフィス
日鉄エンジニアリング様の新しいオフィスの様子については、後日公開予定です。お楽しみに!
〈インタビュー・撮影協力〉
日鉄エンジニアリング株式会社 北九州技術センター
所在地:〒804-8505 福岡県北九州市戸畑区大字中原46-59
公式HP:日鉄エンジニアリング株式会社
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