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【医療法人愛仁会 太田総合病院】時代変化や医療ニーズの先を見通した選ばれる病院への大規模リニューアル!

医療法人 愛仁会 太田総合病院は、1927年に耳鼻咽喉科の診療所として開院し、創立97年の歴史を誇る261床の総合病院。
JR川崎駅から徒歩5分と利便性の高いアクセスに優れ「医は心」をモットーに、患者様中心の高度で専門的な医療を提供しており、長きにわたって川崎の地で地域密着の医療を提供することで、地域の皆様より厚い信頼を得ています。

時代の変化や医療ニーズの先を見通し、常に先進的な取り組みを続ける太田総合病院が、次に目指した新たな病院の姿とはどのようなものだったのか。リニューアルプロジェクトの全貌を事務局長の伊藤さん、看護部長の内山さんにインタビューしてきました!

目次

地域と共に歩む97年:専門性と温かさが光る太田総合病院の特徴

――100年近くの長い歴史をお持ちですが、どのような特徴がある病院なのでしょうか?

伊藤:太田総合病院は、1927年に初代の院長が耳鼻咽喉科の診療所を開設したのが始まりです。当時から「医は心」をモットーに、血の通った温かみのある医療を実践し、地域に根差した病院であるとともに、川崎地区の急性期病院として、高度で専門的な医療の提供を追求してきました。

現在では3代目の院長となり、97年にも及ぶ長い歴史の中で幅広い診療科目に広がりましたが、やはり『太田といえば耳鼻科』と言われる通り、昔から耳鼻咽喉科の患者さんは多いですね。当院で手術を受けたいと紹介状を持ってこられる方もたくさんいらっしゃいます。

また、東京慈恵医科大学附属病院の全面協力を受けている関連医院であるため、常勤医師として多くの専門医が常駐しており、耳鼻咽喉分野のトップランナーとして先進的な医療を提供しているのも当院の大きな特徴です。

二つ目に特徴的なのは、整形外科です。常勤医師は全員が日本整形外科学会認定の整形外科専門医の資格を有しており、人工関節や脊椎の手術を行うだけでなく、手の外科専門の医師もいます。

当院の3本柱としてのもう一つは産婦人科です。現在は少子化で川崎近隣エリアの医院でも、産婦人科を扱う医院が減少傾向にありますが、当院では長くこの地域に根ざして、人々の健康や地域社会を支えてきた医院として、今でも年間450例に及ぶ分娩を行っています。

その他にも、脳外科に関しては川崎地区の中でも早い時期から24時間365日の救急体制を続けており、緊急手術にも対応しています。

人生の1/3を支える医療:「太田睡眠科学センター」の先進的アプローチ

―― 睡眠医療の先駆けとして、専門施設である「太田睡眠科学センター」も開設されていますね

伊藤:近年、睡眠障害を訴える人が急増しメディアでも大きく取り上げられ、適切な医療体制が必要とされてきました。人生の3分の1は睡眠に費やしており、医学的にも睡眠の重要性が指摘されています。このように現代社会における、睡眠医療の重要性にいち早く着目し、当院では20年ほど前になりますが、2004年に附属機関である「太田睡眠科学センター」を立ち上げました。当時としては睡眠専門の診療・研究機関として草分け的存在の一つでしたね。

最近では、厚生労働省から医療機関が掲げることができる診療科名に「睡眠科」が追加されました。睡眠障害は現代の「国民病」とも言われ、様々な病気のリスクを高める恐れがあるため、適切な治療につながることが期待されています。

当院では、睡眠時無呼吸症候群やレム睡眠行動障害などの睡眠障害の検査・治療から、外科的な手術や栄養指導まで幅広く対応し、睡眠医療の先駆者として患者さんはもちろん、医療者へも啓発を促しています。

このような時代の変化や医療ニーズの先を見通した、新しい医療体制づくりにいち早く取り組んでいくことも、当院の特徴の一つとなっていると思います。

築40年の刷新へ:課題解決と新時代を見据えた病院リニューアルの道

――今回の病院のリニューアルに至った経緯や課題は、どのようなものだったのでしょうか?

伊藤:現在の場所に移転してきたのは1986年ですが、築40年近く経っていたこともあり、床や病室、大部屋、配管等の施設の老朽化が進んでいたため、今の時代に合った新たな病院のあり方やイメージづくりに向けてリニューアルを行うことにいたしました。

内山:リニューアルにあたって、業務面から見た課題として取り組んだことは、「電子カルテの導入」を見込んで、ナースステーションをはじめ、個室、大部屋、外来など病院内の各種施設のリニューアルを行うとともに、業務効率を高めるための全面的な見直しと改善を行うことでした。

当院ではメインの診療を行う、それぞれ特徴のある6つの病棟があるのですが、電子カルテを導入するにあたって「標準化」を行うことが大前提でした。

例えば、リニューアル前のナースステーションでは作りはほぼ同じなのですが、中身については、それそれの診療科ごとの特徴がありすぎてバラつきが大変多かったのです。これをどのナーススーテーションに行っても、同じように作業効率を上げられるようにすることが大きな課題となっていたのです。

「標準化」とカラー戦略で刷新:効率性・結束力が高まる新たな病院環境へ

――「標準化」をキーワードとして、具体的にどのようなことをポイントとしてリニューアルが行われたのでしょうか?

内山:まず、電子カルテの導入を見込んで、薬品棚やカートをはじめとして新規購入する設備やナースステーション内のレイアウトを6つの病棟すべて統一し、床を含めた全面リニューアルを実施いたしました。合わせて、医師や看護師などが打合せやコミュニケーションを行うスペースやテーブル、注射器などの各種器具の置き場所なども統一することにしました。

これにより、誰がどのナースステーションに行っても、何がどこにあるかが一目でわかり、組織全体での業務効率が大幅に向上するとともに、薬品や備品などに至るまでの安全管理においても管理業務やチェックが非常に行いやすくなりました。

また、これまで個別購入していたミキシングと呼ばれる点滴を調整する台なども、今回一斉に同じ仕様のものを新しく導入し配置位置も統一するなど、全ての面において「標準化」を徹底させることに注力しました。

一方、「標準化」を図る中で、それぞれの病棟の個性や特徴も大事にしたいと考え、清和ビジネスさんと相談しながら、各病棟の特性に合わせて独自のキーカラーを設定し、6色のカラーリング分けを行いました。この狙いは、病棟ごとの一種のチームカラーとして機能させることで、チーム医療におけるスタッフの結束を強め、より高い意識で誇りをもって仕事をしてもらいたいといった効果を期待したものです。

内山:カラーリング展開では、ナースステーション内だけではなく、それぞれの病棟の談話室の家具や病室の内装などにも展開し、病棟ごとに個性ある病院のイメージ向上と患者様にとっても居心地の良い空間となることを目指しました。実は、この病棟ごとのカラーリングを取り入れたことで、看護師など働いている人のテンションやモチベーションも大きく上がるという効果がすぐに表れたのです。

すべての空間や設備が新しくなり、それぞれのチームカラーで統一された、働きやすい快適な環境が出来上がったことで、これまでとは違うまるで自分たちの新居に来たような新鮮さと高揚感が湧き起こり、皆の一体感が高まり仕事に対するマインドも向上する効果につながったのではないかと思います。

個室や大部屋にも新たな工夫:感染対策を強化し、安心できる入院生活へ

伊藤:今回のリニューアルでは、入院患者様の個室においても新たな取り組みを行いました。これまでの施工技術では、個室があるところまで水回りの配管を通すことはできないと言われていたのですが、清和ビジネスさんを通して最新の技術を研究、導入することで配管設備を設置することが可能となりました。これにより、ホテルライクなトイレ、洗面台などがある快適な個室を設えることができ、新たな個室を利用された患者様からの評価・満足度も非常に高く、大変好評をいただいております。

6人部屋の大部屋についても、新型コロナの経験から得られた知見を活かし、新たな感染リスク対策における工夫を行いました。これまでの大部屋では、部屋の外にトイレがあるため入院患者の出入りが行われることで、感染リスクが増加してしまいます。これらを防止するために、大部屋の中にトイレと手洗いを新たに設置し、感染リスクの低減にも努めるようにしました。

事務局長の伊藤さん(写真右)

日々の医療を止めずに変える:1年半をかけた大規模刷新のプロセス

――病棟や部屋数が多いと思いますが、リニューアルを実施するにあたってどのようにプロジェクトを進めていったのでしょうか?

内山:まず、各施設におけるリニューアルの方針や空間デザイン設計、設備・備品計画、仕様などを決めるまで、清和ビジネスさんに先行していろいろなご提案をいただき、プロジェクトメンバーを中心としながらプロジェクトを進めていきました。

しかし、その後のリニューアルを実施していく段階が、ものすごく大変でした!いわば6病棟あるナースステーションなどの大引越を行うわけですからね。しかも、これらを日常の「診療業務を止めずに」繰り返し行っていかなければならなかったのです!

床も貼り替えるため、ナースステーション内など既存の部屋からすべてのものを仕分けしながら他の部屋に移動。工事が終わった所から、新たな設備や備品、家具などを搬入し、そこに必要なものを統一されたレイアウトに従って整理、配置していく。

途中、空になったナースステーションの空間を見て、こんなに広い空間だったのかと思いましたね。長い年月とともにムダなものもたくさん増えていったので、「本当に必要なものの見直しを行う」ちょうどいい機会にもなったと思います。

また、6病棟をどう段階的にリニューアルしていくかも難題でした。清和ビジネスさんとともに、病棟ごとのスケジュールを綿密に組みながら、工事計画に沿って事前に「この日には、この部屋の工事を行う」といった作業工程をスタッフも含め全員で共有させてもらい、皆の協力のもと診療業務を行いながら、手分けしたものの移動や新しく搬入される什器の配置などを並行して行なっていきました。ひたすらこの作業を繰り返して行い、気の遠くなるような膨大な作業でどうなることかと思いました……。
しかし、ここでも清和ビジネスさんに先頭に立っていただいて段取りを考えていただき、最大効率で作業が進むように現場の陣頭指揮を行っていただきながら、病棟それぞれのスタッフみんなの力を結集することで、何とか無事にすべての病棟の作業を乗り越えることができました

清和ビジネスさんの管理下で行われた、新たに導入された什器の搬入や組み立てなどの作業も非常にスピーディで、大規模なオフィス移転などもやられている清和ビジネスさんのノウハウには驚かされました。こうして苦労しながら出来上がった仕上がりは、ほぼイメージした通りでしたね!

看護部長の内山さん(写真左)

伊藤:やはり、「業務を止めない」ということと「入院患者様への配慮」というのが最大の難関でしたね。大規模なプロジェクトでしたので、作業は1病棟ずつ段階的に計画して進めました。

ナースステーションは、月に2ヶ所程度を目安に、土日を挟んで皆で協力しながら作業を進めていきました。病室については、1週間で2部屋ずつを目処に、入院患者さんの受け入れも調整して同時に行いながら進めていきました。

入院患者様にも不快な思いをさせないように十分配慮しながら、しかもスタッフの診療業務も滞りなく進めなければいけない。清和ビジネスさんの多大な協力や豊富な経験によるノウハウを提供していただいたおかげで、準備期間を含めトータルで約1年半ほどで何とか無事やり遂げることができました!

「一人ひとりに寄り添う」外来スペースへ:清和ビジネスと紡ぐ新時代の医療体験

―― 外来のスペースについては、どのように変えられたのでしょうか?

伊藤:1〜2階の外来スペースについては、清和ビジネスさんからご提案をいただき、「一人ひとりに寄り添う場所」として、床・内装・家具・照明など空間全体のリニューアルを行い、明るくリラックスできて安心感のある落ち着いた雰囲気にイメージを一新しました。

実は、病院の空間設計やイメージにも時代の変化とともにトレンドがあるのです。当院でもこれまでは暖色系のやや暗めの照明でエンジ色の家具などを配置した、いわゆる従来の病院イメージを想起させるような雰囲気でした。

そこで今回のリニューアルでは、当院のキーカラーである爽やかなブルーを家具や空間に効果的に配し、来院いただく患者様に安心感やリラックスできる環境を整え、明るく清潔感のある印象的な空間イメージに刷新しました。

照明はスタッフの意見も取り入れ、明るく見やすいという利点を持つ白色系のLEDを採用しました。内装材には、感染対策として清掃しやすく抗菌性の高い素材を採用しています。

また、空間のアクセントとして、大型のマルチモニターによるサイネージを取り入れました。このサイネージは多用途で活用されており、患者様には四季のイメージ映像などを流すことで、よりリラックス効果を高めるとともに、院内の詳しい情報などを的確にご提供し、利用しやすい環境づくりにも役立てています。

―― 今回の病院のリニューアルプロジェクトを通じて、清和ビジネスへのご評価や感想はいかがだったでしょうか?

内山:今回のリニューアルで清和ビジネスさんには多大なご指導、ご協力をいただきありがとうございました。

長期間にわたる膨大な作業は本当に大変でしたが、すべて一新されたナースステーションで、皆が働きやすく、テンションが上がっている様子を見ると感慨もひとしおでした。今、病院も時代の変化とともに大きく変わろうとしています。

当院では、これまでも時代に先駆けて次々と新たなことにチャレンジしてきた歴史があります。また、ここで働く看護師も「自分が目指す専門分野を極めたい」という大変意識の高いスタッフが揃っており、それを積極的に支援できるようにナースステーションなどをより働きやすく、スキルアップできるように充実させたいという想いも、今回のリニューアルで実現することができました。

これからは、「産後ケア」などの新たな医療ニーズも増えており、市場変化に応じて病院施設や設備、働き方などもさらに進化させていきたいと思いますので、清和ビジネスさんにはこれからも良きパートナーとしてご協力をお願いいたします。

伊藤:清和ビジネスさんとは、以前当院の看護師や職員のお子様を預けることができる保育園の設立にご協力いただいた時からの長いお付き合いがあります。当院の理念への理解をはじめ、図面管理や建物構造、レイアウト、家具設備など隅々に至るまでの情報に精通しており、すぐにこちらの意向や要望を汲んだ優れたご提案をいただけるというパートナーとしての信頼関係を深めてきました。

今回のリニューアルにおいても、患者様から「素敵な空間になりましたね」「落ち着いてリラックスすることができる!」などといったお褒めの言葉をたくさんいただき、清和ビジネスの多大なご協力に大変感謝しています。

編集後記 「選ばれる病院」になるために清和ビジネスができること

今回のインタビューを通じて、これからの病院は、より専門的で質の高い医療を提供できる施設が選ばれる時代になると感じました。清和ビジネスが果たせる役割は、「移転・リニューアルのノウハウを生かして、魅力ある病院づくりを支援すること」だと考えています。お客様のご要望に丁寧にお応えするのは当然ですが、病院にとっては、いかに効率的にプロジェクトを進められるかも重要だと思います。マルチベンダーである清和ビジネスだからこそ実現できる、スピーディーな移転・リニューアルに、少しでも興味をお持ちいただければ幸いです。


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