座りっぱなしの時間が長いデスクワーク。「本当はスタンディングワークを取り入れたいけど、立って仕事をできる環境がないんだよな…」といった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
欧米では、スタンディングワークを取り入れることができる「昇降デスク」の導入がすでに主流とも言われ、日本でも近年になって導入の動きが強く見られるようになりました。
清和ビジネスが電動式昇降デスクを全社に導入したのは、今から約10年前。今回は、スタンディングワークの先駆者的な存在である清和ビジネスが開催した、「昇降デスク」「スタンディングワーク」がオフィスワークの常識を変えるセミナーのレポートをお届けします!
他人事ではない。実は深刻な「座りすぎ問題」
日本人はとにかく座りすぎ!
2015年から座りすぎに警鐘を鳴らす記事や書籍が多く見られるようになりましたが、日本人は世界的にみても座りすぎているといった調査結果があります。
日本人の座る時間は、調査対象20か国・地域の平均5時間を2時間も上回る結果となっているのです。
座りすぎは死亡率にも悪影響!?
WHOと厚生労働省では座位行動について、ガイドラインを提示しています。
WHOは、座位行動は最小限にし、身体活動を取り入れることを推奨しています。そして、「成人の場合、座りすぎは、総死亡率、心血管疾患死亡率、がん死亡率(その他略)などといった悪影響を及ぼす」「成人は座りっぱなしの時間が短くなるように制限をかけること」を示しています。
厚生労働省では、「座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する」「できるだけ頻繫に長時間連続した座位行動(座りっぱなし)を中断(ブレイク)するのが望ましい」と、令和5年6月に厚生省ガイド2023において初めて座位行動の指針が示されました。
また、清和ビジネスが取得しているWELL認証の評価必須項目のひとつとして、座位と立位について触れられています。
Ergonomic Workstation Design(人間工学的ワークステーションのデザイン)
Part 2 高さ調整可能な作業面を提供する For Office Spacesすべてのワークステーションの少なくとも25%が、以下のいずれかによって、利用者が座位でも⽴位でも仕事ができるように調節できる
a.利用者が、⼿動あるいは電動で、座位でも⽴位でもワークステーションの⾼さを調節できる
b.座位や⽴位の⾼さに、作業⾯、モニタ、主要⼊⼒機器(キーボードやマウス)を上下できる補助的な対応
日本語訳と英語版に齟齬が生じた場合には、英語版を優先します
参照:https://v2.wellcertified.com/en/wellv2/movement/feature/2
このように、座りっぱなしの時間が長いことは身体に悪影響をもたらすため、できる限り座位時間を減らすことが世界的に求められています。
では、オフィスでできる施策として、デスクワークが多い社員の座りっぱなしの時間を減らすには、具体的にどのような施策をすればいいのでしょうか?
清和ビジネスがおすすめするのは「昇降デスク」の活用です。
清和ビジネスがいち早く体感した昇降デスクの魅力
一般的なデスクは高さが低かった!
清和ビジネスでは、約10年前から電動式昇降デスクを使用しています。
電動式昇降デスクを実際に使用して効果検証を行ったところ、「パソコン作業をするには、今まで使っていたデスクは低かった」ということがわかりました。
標準デスクの高さは700㎜~720㎜なのですが、実際のところ男性平均は780㎜、女性平均は760㎜という結果となり、ワゴンの上にも物をおいて常時標準よりも高めに設定をしています。
立ったり座ったりするのは、心身的にとても良いこと
また、定量的にも効果検証を行ったところ、以下の3つの有意性が認められ、「立ったり座ったりすることは心と身体に良い」こともわかりました。(清和ビジネスの社員20名が2週間被験者として参加した外部の検証実験より)
- 静かな良い睡眠になる
- 心身のストレスが少なくなる
- 仕事に向かう活力が維持される
このように、定性的・定量的にも良い効果が得られる昇降デスクですが、ただ導入するだけでは効果は十分に発揮されません。
昇降デスクを効果的に活用するためには、「仕事内容に合わせてポジションを使い分けること」「レイアウトを工夫すること」が大切であると、当社のモニタリング結果からわかりました。
昇降デスクを最大限に活用するために
「仕事内容」に合わせてポジションを使い分けることで業務効率化に繋がる!
仕事内容によってデスクの高さを変えることによって、業務効率がアップすることが当社のモニタリング結果からわかりました。
主に「座りポジション」「中間ポジション」「立ちポジション」の3つのポジションに分類されます。
- 座りポジション:プレゼン資料や手書きの作業をするような、集中して物事を考えるとき
- 中間ポジション:資料のチェックや照合、押印、製本などといった俯瞰して作業を行うとき
- 立ちポジション:メールチェックやWEB閲覧、電話対応などといったルーティーンタスクを行うとき
ポジションを変えることによって、気持ちを切り替えることもできるので業務の一区切りがついたタイミングでポジションを変更するのもおすすめです。
社員一人ひとりが業務内容に合わせてポジションを自由に変えることによって、座りっぱなしの時間を少なくすることができ、業務の効率化にも繋がります。
「レイアウト」を工夫することでコミュニケーションの活性化につながる!
また、モニタリング結果から「コミュニケーションが増えた」といった気づきがありました。
当初想定していなかった結果だったのですが、約40%の人が「自席で周囲とコミュニケーションの回数が増えた」と回答したのです。
自席で立っている人の方が、話しかけようと歩いてきた人にとっては目線が合いやすく表情もわかりやすいといった意見もありました。
このようなモニタリング結果を踏まえて、清和ビジネスでは「4人島レイアウト」を採用しました。
全員が動線に接していることにより、より一層話しかけやすい環境となりました。自席周りでのちょっとしたミーティングや報告・連絡が増えたことにより、会議室をわざわざ予約する手間もなくなったようです。
このように、昇降デスクを導入して終わるのではなく、工夫をして活用することで昇降デスクの効果を最大限に発揮することができます。「昇降デスクを導入したんだけど、いまいちみんなが使ってくれないんだよな…」といった企業様は、ぜひこの活用方法をご検討ください。
座りっぱなしの時間を減らし、Well-beingな環境づくりへ
健康面の改善、業務効率化、コミュニケーションの活性化が期待できる「昇降デスク」を用いたワークスタイルは、オフィスの環境の魅力の一つとして、人材採用にも活かすことができます。
近年、人的資本経営の広がりにより各社が社員の健康やWell-beingへの取り組みを進めています。
その取り組みの第一歩として、昇降デスクを取り入れてみるのはいかがでしょうか。
清和ビジネスのオフィスツアーで、ぜひ一度ご体感ください。
机の高さについてはこちらの記事でもご紹介しています。あわせてご覧ください。
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