あなたの会社に「カフェ」はありますか?
先日訪問した企業のオフィスの一角に、人気カフェチェーンを思わせるカウンターがあり、香り豊かなコーヒーを淹れるバリスタが社員と談笑しているのがとても印象的でした。
オフィスカフェ。 いま、オフィスにカフェスペースが設置されるのは当たり前となりつつあるようです。
なぜ、カフェスペースが注目を浴びているのでしょうか? 今回はオフィスのカフェスペースが注目される背景から、設置や運営のコツをご紹介します。この記事では「カフェスペースをどこにつくるか?」「どのような運営方法にするか?」を解説しておりますので、導入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
新しい発想が生まれるオフィスづくりがトレンド
新型コロナウイルス感染防止策としてテレワークが普及し、オフィス以外の場所でも作業が行えるようになりました。
「作業であれば、オフィスに出社せずにテレワークしたい」と考える方がどれぐらいいるのかご存知ですか?
81.9%のビジネスワーカーは「テレワーク」の継続を希望
株式会社パーソル総合研究所「第八回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査」では、81.9%の方がテレワークを続けたいと回答しています。
コロナ禍でテレワークが普及してオフィス以外でも働けることが認知されたため、オフィスは「作業する場」ではなく「新しい発想を生み出す場所」と新たな価値を見出す必要に迫られてきています。
新しい発想を生み出す場所の付加価値をつくるため、偶発的なコミュニケーションが生まれやすいカフェスペースをオフィスに設ける企業が増えてきました。
カフェスペースの5つの効果
オフィスにカフェスペースを設置することで見込める効果をまとめてみます。
1.オフィス回帰
まず、オフィスにカフェスペースを設けることで、社員に対して出社する意欲を高めることが期待されます。
気が重いデスクワークも、少し気分を変えてオフィスカフェで仕事をしてみたり、同僚と談笑しながら休憩時間を過ごすことができれば、オフィスは「つらい」「きつい」の働く場所から、「たのしい」「美味しい」がある働く場所への変わります。
映えるカフェメニューをつくり、社内報で知らせることで「おいしそうなカフェメニューだから食べてみたい」とオフィス出社率を高めるための工夫も必要ですね。
「オフィスに行くのが楽しみだ」という気持ちを作れることが、カフェスペースの魅力のひとつです。2.コミュニケーション活性化
カフェスペースは、さまざまな人が集まるマグネットスペースの役割を果たします。 部署やプロジェクトが異なる人との交流が増えれば、斬新なアイデアが生まれることもあります。
アイデアを生み出す場としてカフェスペースを設ける企業では、ファミレスシートのような4人掛けの席が設置されるケースも目立ちます。
コーヒーを飲みながらフランクに打ち合わせすることで、よいアイデアが生まれイノベーションが起きやすくなるとも言われています。
3.従業員の健康増進
健康経営やWell-beingの実現に向けて、オフィスにカフェスペースを設けるというのも考え方のひとつです。
経済産業省は健康を推進する行動を7つに分類してますが、カフェスペースを運営することで、以下の4つを満たすことができます。-
栄養バランスのよいメニューが食べられる
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カフェメニューから健康意識を高められる
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カフェスペースで気分転換ができる
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他部署の人とのコミュニケーションの場
身体の健康、心の健康にもカフェスペースが貢献でき、カフェスペースの設置が組織のWell-beingに欠かせないとも言えるのではないでしょうか。
4.企業ブランディング
中小企業に限らず、いまでは大半の企業が「人材の確保」を一番の経営課題にあげています。
優秀な人材を採用するために、また務める社員、就業員を維持するために、カフェスペースをつくり、自社のブランドや雰囲気(ノリ)といった企業のカルチャーを表現することも増えています。
カフェスペースのデザインや、そこでの過ごし方、開催されるイベントなど。まさに、オフィスのカフェから企業ブランドの発信です。
また外部の人との協業を目指す企業では、社内・社外問わずに利用できるカフェを運営するなど、その狙いはさまざまです。5.オフィススペースの有効活用
カフェスペースの利用用途は、食事したり休憩したりするだけではありません。
コーヒーを飲みながらリラックスした状態で打ち合わせをしたり、外部の人を招いてイベントをしたりする際にも役立ちます。
営業時間外になったらビールを提供できるバーにして、社内イベントを開催する企業も多く、さまざまな用途に活用できるのもカフェスペースの魅力のひとつです。
オフィスカフェ導入の5つのコツ
オフィスカフェを設置するだけで効果が見込めるわけではないようです。「どこにカフェスペースを設けるのか?」「どのように運営するか?」などで、カフェスペースの利用率は変わります。
そのため、オフィスカフェ導入のコツを学んでおきましょう。
1.目立ちやすい場所に
利用率を意識するのであれば、オフィスカフェの目立つ場所への設置や、さまざまな人の「立ち寄り易さ」を設置場所を選ぶうえで大なポイントです。
社内の人だけでなく、社外の人にもカフェスペースを利用してもらいたい場合は、エントランスの近くに設け、待ち合いスペースと兼ねるケースも見受けられます。
2.カフェメニューにこだわる
提供するメニューにこだわるのも、運用面では大切。
「とてもおいしそうなメニューだ」と社員の間で話題になり、メニューを食べるためにオフィスに出社を促すことに成功した事例もあるようです。
それ以外にも、管理栄養士が開発した健康的なメニューなど健康面のサポートやランチや軽食といったさまざまなメニューを並べて、その費用の一部を会社が負担するなど、オフィス内での福利厚生もトレンドとなっています。
https://hataraku.seiwab.co.jp/240119-2/
カフェメニューを比較・検討してみてはいかがでしょうか。
3.リラックスできる環境を整える
人がリラックスできる環境には条件があることをご存知でしたか?
例えば、室内の照明は白色系で明るい光より暖色系のやわらかい光がリラックスできると言われています。 また、オフィスに観葉植物などグリーンを取り入れるのも効果的です。
4.コミュニケーションの仕掛け(イベント、図書コーナー・掲示板)
カフェスペースに人が集まっても、それだけでは、価値あるコミュニケーションが生まれるとは限りません。
なぜなら、部署やプロジェクトが異なる人とは「何を話せばいいだろうか」と悩んでしまう人も多いためです。
このようなコミュニケーションの壁を取り除くために、カフェスペースにさまざまな仕掛けを取り入れてみてはいかがでしょうか。
休み時間などに、コーヒーの飲み比べや新メニューの試食会など、ちょっとしたイベントを仕掛けたり、おすすめ図書コーナーや掲示板の設置など。
「何に関心があるのか」がわかれば、そこから会話が生まれ、この小さなコミュニケーションがイノベーションのきっかけへと発展します。
5.自社に見合う運営スタイルを選ぶ
カフェスペースを運営方法には無人運営と有人運営がありますが、自社に見合うスタイルを選びましょう。
運営の手間を省きたい場合は無人運営が一般的ですが、チームワークづくりを強化したい方は「有人運営」を検討してみてはいかがでしょうか?
あるベンチャー企業では、総務職の方がカフェスペースを運営されています。 月に数十名の新人メンバーが入社してくるにもかかわらず、オリエンテーションが不足しており、お互いの顔と名前がわからないという社内の課題を、カフェ運営者がフォローすることで強いチーム作りに成功しています。 人と人を繋ぐコミュニティマネジャーの役割をカフェ運用者が果たすのは、とても面白い施策。コミュニケーションを活性化させるためにも、有人での運営もおすすめです。
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