明治大学 和泉ラーニングスクエアは学生が人数や学修内容、その日の気分で空間を使い分けることができるアクティブラーニングを実現するために、異なる特徴を持った様々なゾーンを設けています。
後編ではこれらのゾーンとその具体的な使用法についてレポートしてまいります。 前編はこちら
和泉ラーニングスクエアは「一つの街」
建築の世界では一つの街のようにキャンパスをつくる、という概念があるそうです。
この和泉ラーニングスクエアも一つの街のようにつくることを考え、様々な回遊性をつくり、歩いていくと色々な場面が展開するように設計されています。
それによって色々な学修や色々な人に出会えるようになっており、偶然の出会い、セレンディピティを演出するようになっているというわけです。
輸入家具も導入したスタイリッシュなインテリア
主体的・対話的な学修スタイルを確立するために学生を集めるのには、スタイリッシュな空間は必要不可欠。
グループボックスを始めとした棟内には輸入家具も取り入れたインテリアが配置され、「え!こんな場所で勉強できるの⁉」と感動を与える空間となっています。
学生が人数や学修内容、その日の気分で使い分けることができる様々なゾーン
とにかくバラエティに富んだ学修スペースが用意されているのが印象的な和泉ラーニングスクエア。
館内は1~3階が主にグループでの利用を想定、4~7階が主に少人数や個人での利用を想定した構成となっており、その中でさらに
に分かれています。
集中・熟考ゾーン
様々な学生が交錯し、賑わいをみせる低層階に対し、4~7階の高層階は集中・熟考ゾーンとなっています。
半個室家具の設置
コワーキングスペースの一人席のようなスペースや、カフェのように高めのスツールが据えられた一人席もありますが、印象的だったのは半個室家具が設置されたスペース。
視界を遮ることで集中力を高め、深い学修効果を生むことができそうです。
もちろん館内はWi-Fi環境が完備され、各席には電源もあり、オンライン授業への対応も万全です。
協働ゾーン
協働ゾーンは他の人とつながることで学修効果を増幅させることを狙ったエリアです。
ラーニング・サポート・ベース
ラーニング・サポート・ベースは論文の書き方から学問への向き合い方まで、様々な学修支援を大学院生に受けることができるスペースです。
メンターである大学院生が常駐し、学修と研究、キャンパスとアカデミーをつなぐ存在といってもいいでしょう。
メンターの在席をレゴで作ったアバターで知らせるという遊び心も忘れていません。
カイダン教室
従来の教室には欠かせなかった机や椅子を取り払い、階段を席として配した教室です。
天井が高く、明るく開放的な空間。
対話的な講義はもちろん、プレゼンでも使用できるようになっています。 先生や学生の自由な発想で、新しい形の講義が生まれそうな予感がします。
集う・つながるゾーン
1~3階、4~7階の吹き抜けは「一つの広場」
1~3階、4~7階の吹き抜けはそれぞれが「アゴラ(古代ギリシャ語で広場の意)」と呼ばれる一体化した広場になっており、リラックスできるオープンなスペースとなっています。
新しい学びや仲間と出会える場であり、ラーニングコモンズを後押しする明治大学らしい学修スペースです。
グリーンテラス
和泉ラーニングスクエアでは各フロアに半屋外空間のテラスを設置しています。 上階につなげるように緑化されており、上のテラス空間とつながるような構造に。
また少人数で集まれるウッドボックスをテラスにつくり、学生を呼び込むようにしてテラスでも学修や交流ができるようにしています。
リビングのようにくつろげるBOX家具
仰向けになったり、寝転んだりしてリビングのようにくつろげる畳敷きのBOX家具が配されているのには軽い衝撃を受けました。
2畳くらいのスペースにちゃぶ台のような小さなテーブルが置いてある、こじんまりしたスペースです。
明治大学の菅さんにお聞きしたところ、靴を脱いでリラックスできることから人気のスポットとなっているとのことで、この日も4〜5人の学生が1台のノートパソコンを覗き込み、ちゃぶ台を囲むといった光景が見られました。
学生の方々はすでに様々な利用方法を創意工夫しており、アクティブラーニングを意識した、いろいろな場所でいろいろな事ができるような空間作りを実感することができます。
発表・発信ゾーン
プレゼンテーションラウンジ
1・2・4階のオープンな共用部にはカウンターやベンチが設置されており、学生同士の議論や、先生の授業にも利用できるプレゼンテーションラウンジが設けられています。
オープンなラウンジスペース内にあることで、偶発的に集まり、出会う様々な交流が、学びの場が演出されています。
グループボックス
今回の取材中最も目を惹いたのがこのグループボックスです。
ガラス張りの4~6人くらいが入れるショールーム空間で、各ボックスがカラフルに色分けされていることもあって、とてもスタイリッシュな空間となっています。
内部には輸入品も含めた様々な家具と「透明」なホワイトボードが設置され、学生が「あそこにいきたい」と思わせるようなものになっているのが特徴的です。
ガラス張りになっているため公開スタジオのような雰囲気があり、吹き抜け部分に設置されていることもあって多くの視線を集め、まるで舞台上に上がったような高揚感を得ることもできそうです。
まとめ
和泉ラーニングスクエアの印象は、回遊性を施す仕掛けと、ワクワクする演出の多さです。
館内を歩いていると、どんどん場面が展開し次のエリアに行きたくなり、グループボックス、カイダン教室、BOX家具と興味を掻き立てられる演出が次々と現れます。
好奇心を刺激され、ここに来れば何か楽しいことがありそうだと思わせる。
明治大学が時代に適した「新しい教育」を提供する大学であることを世の中に発信するという目的は、十二分に果たされていると感じました。
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