SDGsの目標のひとつにも掲げられている「ジェンダー平等」。各企業どのような取り組みで実現に繋げているでしょうか。近年、女性の社会活躍を促進する取り組みを積極的に行っている企業に対し、各自治体が表彰制度や認証を交付する動きが活発になっています。
今回は、全国数ある表彰制度、認証の中から「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」について、2021年に認証を受けた清和ビジネスの事例に触れながらご紹介します。
女性の社会的活躍に対する各地の認証制度
神奈川県川崎市は対象企業に「かわさき☆えるぼし」の認証交付を行っています。名古屋市では女性活動推進認定及び表彰制度があり、福島県いわき市では令和2年に企業認証制度をスタートしました。このように認証制度が各自治体で広がりを見せる中、清和ビジネス大阪支店も2021年3月に、大阪市女性活躍リーディングカンパニーによる認証を受けました。
近年SDGs戦略も相まって、女性が働きやすい仕事環境にフォーカスする企業は増加傾向にあります。清和ビジネスはかねてより、産前産後休業、育児・介護休業を整備してきました。それに加え、育児と仕事の両立をはかりやすくするための育児時短利用期間の延長や、女性専用の休憩室の設置など、女性活躍の環境作りにも力を入れています。これらの支援や取り組みは決してここ最近の話ではなく、以前より清和ビジネスの企業文化として長く根付いていました。
認証を受けることでのメリット
企業の内部取り組みは可視化が難しいものですが、このように市から認証を受けることで情報発信の場も増え、外部の認知度もぐっと高まります。実際にリーディングカンパニーのウェブサイト内では清和ビジネスの女性活躍に関する取り組み内容や、企業情報などが紹介されています。
ここで大阪市女性活躍リーディングカンパニーの認証を受けた企業が得られる5つの支援をご紹介します。
認証を受けることで得られる5つの支援
企業の認知度アップ
認証を受けた企業は、この大阪市女性活躍リーディングカンパニーのロゴマークの使用が可能となります。大阪市HP・SNS・各広報媒体に企業名や取り組み内容をより広くPRできるため、現代のネット情報社会の認知度向上戦略には欠かせません。
人材確保支援
大阪市が実施する求人イベントへの参加が可能となります。そのため大学や求職者などに対象を絞った情報発信の場ができるだけでなく、会社にとっても人材確保が有利になります。
企業間の交流支援
会社の中だけでは異業種と繋がり、交流を持つことはそう簡単ではありません。しかし定期的に開かれるセミナーや企業交流会への参加が可能となるので、普段の生活ではなかなか交流が持てない異業種との情報交換の場ができます。ネットやSNSなどからの情報ではなく、生きた情報を得られるため質の高い情報シェアが期待できます。
情報提供支援
日々更新される実践的な情報の受け取りや、ビジネスコンサルの相談が可能になります。認証を受け一定ラインにはいるものの、その先へ伸び悩んでいる企業は現状を相談し、解決策を見つけるきっかけになります。
各種優遇支援
いくつかの基準に該当する企業者は、大阪市の連携金融機関から支援ローンや支援融資を受けることができます。そのほかに大阪市が行う総合評価入札や指定管理者の選定において、大阪市の必要に応じた加点がされるなど、今後新たなビジネス展開を図っている企業者は見逃せない支援です。詳しくはHP内に詳細が記載されているのでご確認ください。
大阪市女性活躍リーディングカンパニー 3つの認証基準
認証を受けるにあたり知っておきたいのが、3つに分かれている認証基準です。それらの基準は「一つ星認証企業」「二つ星認証企業」「チャレンジ企業」の3つ。
評価基準となる項目には
- Ⅰ女性活躍
- Ⅱワーク・ライフバランス
- Ⅲ男性の家庭参画
の3項目があり、それぞれの項目に「環境面」と「実績面」から双方、もしくはどちらか一方の条件を満たす必要があります。
ではその評価基準の内容をもう少し詳しくご紹介します。「一つ星認証企業」は合計5項目以上に該当しており、その中の3項目以上は環境面であることが必須条件です。「二つ星認証企業」は環境面、実績面においてそれぞれ5項目以上に該当していることが条件となっています。「チャレンジ企業」に関しては環境面、実績面を問わず3項目以上に該当していること。または現段階で2項目に該当しており、1項目以上については1年以内に該当する見込みのある企業を指します。
さらに「一つ星認証企業」及び「二つ星認証企業」のうち『Ⅲ男性の家庭参画』で1項目以上該当する場合は「イクメン推進企業」としても広報されます。これらの評価基準の内訳詳細は大阪市のHPより確認できるので、自社が現段階で何に該当するのか、またはしないのか確認してみるのもいいでしょう。
女性へのフォローアップは年々より良いものになっているものの、男性へのフォローも忘れてほしくないところです。清和ビジネスでは、男性がより家庭に寄り添える環境の充実を目指し、社内イントラネット上の『清和大阪男女共同参画研究所』というチャネルで“イクメン・カジダン”等の情報発信をしています。また、妊娠中の妻がいざ出産を迎えたときの特別休暇制度が整備されているなど、男性にとっても肩身の狭い思いをすることなく働ける環境が整えられています。
ともなっている女性活躍促進に関する取り組みに関して、当社大阪支店では係長、チーフ相当職に占める女性が約80%と高い割合を占めています。さらに冒頭でも述べたように、産前産後の休暇だけではなく育児・介護休暇の申請、育児時短利用期間の延長、在宅勤務が可能であるなど、働くママにとっては手厚い制度が整えられています。このような充実から、女性にとっては難しいとされる産後の職場復帰も当社の場合はその割合が年々増回の傾向にあります。
男女それぞれの特性を活かす社会へ
従来の財務情報だけでなく非財務情報であるESG(Enviroment環境・Social社会・Governance企業統治)情報を投資判断に組み込み、長期的な投資リターンを目指すいわゆるESG投資が拡大しています。Credit Suisse Research Instituteの調査によると、女性取締役を1人以上有する企業の方が、そうでない企業に比べ株式パフォーマンスが高いという結果が出ました。このように世界的にも社会の中での女性のポジションと影響力は注目されているのです。
SDGs戦略に伴い近年はさらに女性の活躍を後押しする企業が増えています。古い体制を見直し何かを変えたいという思いはあっても、実際に何から始めていいか分からないという人も多いのでは。女性側も、管理職と聞くと責任の重さや職務内容に二の足を踏む人もまだまだ少なくないでしょう。
「ジェンダー平等」とは“男性にできることは女性にもできて当然”ということではなく、逆も然りです。それぞれが持っている特性を引き出し、活かしあうことで社会の動きをよりよくする。そこに男女の差があるべきでない、というのがそもそものスローガン。女性は管理職を任されたからといって、これまでと同じある必要はなく、男性も家族が増えたという理由で休暇をとることは、何も特別視されることではないのです。
大阪市内に事業所を有し、かつ大阪市内で事業活動を行う企業等(会社や個人企業、財団・社団法人、協同組合、NPO等で、常時雇用労働者を有する場合に限る)であればリーディングカンパニー申請対象となります。各自治体の認証に関する情報や条件を確認し、これを機に申請してみることは今後の大きな一歩に繋がるはずです。変化を求めつつも、何から手をつけていいか分からないという企業は、是非申請を検討してみてはいかがでしょう。